Source: https://left.eu/ai-act-big-tech-says-jump-eu-asks-how-high/
概要:AIプロダクトの背後にある複雑な技術を理解する上で、AIプロダクトデザイナーが課題に直面することは珍しくない。技術専門家と効果的にコミュニケーションをとることは難しく、理解がさらに複雑になってしまうこともある。加えて、人間とAIのインタラクションの、進化し続けるデザインパターンに対応し続けることは困難なことである。この記事では、デザイナーが自信をもって安心して仕事に取り組めるように、この分野の知識とスキルを高めることができるリソースをまとめた。
AIの進歩は、人間とコンピューターのインタラクションにエキサイティングな機会をもたらしている。写真に写った愛猫の識別から、自動運転の実現まで、AIはユーザーエクスペリエンスに数多くの新しい有望な可能性を提供している。以前は想像もできなかったようなインタラクションの形態を実現しやすくしている。
AIの大きな可能性にもかかわらず、その能力をデザイン手法に取り入れることは一筋縄ではいかない。最近の調査によると、デザイナーはAIシステムの構想やプロトタイピングの複雑さに苦慮しているという。
なぜだろうか?スケッチやプロトタイピングといった伝統的なUXやHCIのデザイン手法は、プロダクトデザインにおけるAIの予期せぬ結果に対処するには不十分かもしれない。
「HCIの専門家は、AIシステムが様々なコンテクストで様々なユーザーに適応するための数多くの方法を、簡単にスケッチすることができない」とGraham Dove氏らはHuman Factors in Computing Systemsのカンファレンスで述べている。「....また、まだ開発されていないAIシステムが犯す可能性のある推論エラーの種類をプロトタイプ化することも容易ではない」というPhilip van Allen氏の発言も付け加えられるだろう。
カーネギーメロン大学のQian Yang氏と彼女のチームは、HCIの研究者や専門家がAIを扱う際に直面する課題を研究した。彼らは、これらの課題と関連する研究論文を、広く知られているダブルダイヤモンドデザインプロセスモデルの中に構造化した。
執筆者による図式化
この論文から私が学んだことをデザインプロセスのステップ別に紹介する:
執筆者による図式化
執筆者による図式化
執筆者による図式化
執筆者による図式化
ここまでに言及されたすべての問題を大きく2つに分類した:
MLを使用するプロジェクトに配属されるUX担当者を増やすだけでは十分ではない。MLの中核となるコンセプトを理解し、AIとその能力に関する先入観を解き、信頼を築き維持するためのベストプラクティスを共有することが不可欠だ。
どのタイプのAI知識がUXデザインに関連するかについては、いまだに大きな議論がある。しかし、UXデザイナーがAIを効果的に扱うためには、AIに関する技術的な専門知識が必要であることは、次第に合意されつつある。
ほとんどのAIコースは、統計、確率、線形代数、微積分、プログラミングの予備知識を前提としている。これらの背景がなければ、多くのAIの概念を理解することは難しいだろう。
AIに関する高度な理解は必要ないが、数学とコンピュータサイエンスに慣れていることは不可欠だ。これらの科目に苦手意識がある場合は、評価の高い以下のコースの受講を検討するとよい。
確率: Fat Chance: Probability from the Ground Up from Harvard
統計学: Fundamentals of Statistics from MIT
線形代数: Linear Algebra 18.06 from MIT
微積分:Single Variable Calculus and Multivariable Calculus from MIT
プログラミング:Learn Python from Codecademy, Google or University of Michigan. 個人的にはミシガン大学の Python for Everybody が好きだ。長いが、より詳しい説明がある。
それぞれのトピックについてある程度知っておくことは、これらのコースを受講するための大きな基礎となる:
1) “AI For Everyone” (6h, 49.99/month) – 有名なスタンフォードの機械学習クラスの創設者であるAndrew Ng氏が教える、技術的でない最高のAI入門書
2) “Professional Certificate in Computer Science for Artificial Intelligence” (5 months, 432€) – ハーバードのCS50とCS50AIコースに対応したedXの2部構成のプロフェッショナル・サーティフィケートで、CSの前提知識がない学習者でもAIの世界に入ることができる
3) “AI Foundations for Everyone” (40h, 49.99/month) – 新興テクノロジーの革命的リーダーとして認められているIBMがCourseraを通じて提供する専門課程。この専門課程には3つのコースがある:
4) “Elements of AI” (30–60h, free) – ヘルシンキ大学とMinnaLearnによるこのコースは、複雑な数学やプログラミングを必要とせず、AIで何が可能か(そして不可能か)、そしてそれが私たちの生活にどのような影響を与えるかを説明する
他にも役立つ情報源をご存知でしたら、ぜひお気軽にコメントをください。
人間とAIのインタラクションに特化したデザインスキルの必要性が高まっているが、関連する講座は限られている。幸いなことに、知識やノウハウを惜しみなく共有しているデザイナーや研究者は数多くいる。私がフォローしている人を以下に紹介する:
もし私が見逃してしまった人がいたら、その人の名前と、その人が作成した役に立つリソースを教えてください。一緒に知識を広げ、互いの成長を助け合いましょう。
人工知能は私たちの思考、感情、行動を形作る。人工知能は私たちの未来を決定づける決断の原動力となる。私たちには、この可能性を人道的なテクノロジーに活用する責任がある。私たちの多様な価値観とニーズに基づいたAIを構築するには、思慮深いデザインが必要だ。
Josh Lovejoy and Jess Holbrook
人工知能がさまざまなデジタル製品やサービスに組み込まれるようになってきている。AIとユーザーとのインタラクションは、こうした製品の成功と普及を左右する重要な要素となる。しかし、新しいインタラクションのパターンやテクノロジーを定義して採用することを怠り、時代遅れのヒューリスティックやAIに対する限られた理解に頼っていると、イノベーションの妨げになるリスクがある。
粘り強さと創造性を組み合わせることで、デザイナーはAIの可能性を最大限に引き出し、より良い未来への道を切り開くことができる。
お読みいただきありがとうございました。この新しいパラダイムを共に構築するために、追加リソースをぜひ共有してください!
英語版参照元:
https://uxdesign.cc/ai-product-design-identifying-skills-gaps-and-how-to-close-them-5342b22ab54e#5641-e90b715a7190
DMNでは、他にも様々なブログを「DMN Insight Blog」にて配信しております。
定期的に記事をご覧になられたい方は、ぜひご登録をお願いいたします!
→「DMN Insight Blog」メールマガジン登録