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Series|近未来小説:サスティナブルな世界へと続く道―#01 (外部不経済)

作成者: Fumihiro Shimono|25/05/08 0:57

 

このブログは、いまから10年後にサスティナブルな経営を実現した皆さんが、どのような課題をどのように解決してきたのかを振り返る、近未来小説です。
初回のテーマは「外部不経済」に焦点を当てています。
 
 
 

隠れた代償から持続可能性への転換

10年前、多くの企業では成長と効率が最優先され、持続可能性の問題は多くの企業にとって後回しにされがちでした。
しかし、いまの私たちは知っています。その選択が環境的、社会的にどれほどの代償を伴ったかを。
 


当時、経済活動が環境や社会に与える負の影響、いわゆる外部不経済に対する認識が高まっていました。
外部不経済とは、企業の生産活動などにおいて環境などの第三者に悪影響をもたらすが、その責任をとらないためにコストとして算出されない活動のことをさします。つまり、自社が関与している公害や温暖化に対して見て見ぬふりをすることです。化石燃料の依存、資源の枯渇、環境汚染など、長年無視されてきた「隠れた代償」の重要性が高まっていました。
しかし、当時の企業評価の主な指標は依然として「業績」や「株主利益」などの経済指標に留まっていました。
 


そのような中、ユニリーバをはじめとする持続可能性に対して先進的な企業が「ネットポジティブ」などの環境サステナビリティを経営戦略の一部として位置づけ積極的に取り組むことで、社会や株主から評価されるようになりました。さらに、環境や社会に配慮しながら、インパクトを創出するビジネスを進める「良い企業」であることを示すB-Corpなどの企業認証を取得する中小企業のトレンドが大企業に波及し、大企業でも認証取得していないことが企業価値を下げる要素になりました。
また、短期的な利益を追求し続けた結果、社会や消費者から見放された企業もありました。このトレンドが、持続可能な経営に対して真剣に取り組まなければならないという意識変革への第一歩となりました。
 


「このままの経済活動を続けることは、本当に持続可能なのか?」
「持続可能な社会を目指し、私たちにできることは何か?」
 
このような問いかけが変革への旅の出発点となりました。
 
持続可能な未来への道のりは企業により異なるため複雑であり、また大企業の事業変革は容易ではありませんが、結果として企業、社会、そして地球にとってより良い未来をもたらしました。この過程で得た学びは、未来の世代に伝えるべき貴重な財産となっています。
 
 

 

考えるべき問い

・10年後から見た現在の自分に対して、持続可能性の重要性をどのように伝えますか?
・持続可能な未来を実現するために、今、考えるべきこと、取り組むべきことは何ですか?

202X年現在、私たちの旅はまだ続いています。
持続可能な未来に向けた選択を、日々の意思決定に反映させていきましょう。
 
 
 

【連載】 Series|近未来小説:サスティナブルな世界へと続く道

―#01 (外部不経済)
―#02 (循環経済)
―#03 (意味の重要性)
―#04 (行動変容)
―#05 (厄介な問題)
―#06 (トランジッションデザイン)
―#07 (プラネタリーヘルス)
―#08 (レジリエンス)