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Series|サービスブランディング―(3) 強いブランドが持つ共通点:成功事例から学ぶ

作成者: Haruhiko Kusanagi|25/05/08 1:27

 
 
サービスブランディング・ブログ第三稿
成功事例から学ぶ。
強烈な顧客ロイヤルティを生み出すブランドの共通点とは?
 
 
 
 
「Appleの新製品発表会に徹夜で並ぶ熱狂的ファン」 「Netflixの『見るのをやめられない』体験に魅了される視聴者」 「スターバックスでなければダメだという愛好家」

これらの人々は、単に良い製品やサービスに満足しているわけではありません。彼らはブランドが提供する「世界観」に共感し、自分のアイデンティティの一部として取り入れているのです。

では、このような強烈な顧客ロイヤルティを生み出すブランドには、どんな共通点があるのでしょうか?今回は成功事例から学ぶヒントをご紹介します。


顧客の感情に響く「世界観」を持っている

強いブランドの第一の特徴は、独自の「世界観」を持っていることです。これは単なる見た目やトーンではなく、顧客が共感できる価値観や美意識の総体を表しています。

Appleの世界観: Appleは「Think Different」というメッセージで、従来の枠組みにとらわれない創造性と革新を体現しています。彼らの世界観は、製品デザインの美しさ、シンプルさ、そして反骨精神を融合させたものです。この世界観に共感する顧客は、単にiPhoneやMacを使うことで、「創造的で先進的な人間」という自己イメージを確認できるのです。
画像はApple社のプロモーションより


エアビーアンドビーの世界観:
「Belong Anywhere(どこにいても、そこに属している感覚)」という世界観を打ち出しています。単なる宿泊予約サービスではなく、世界中の人々と文化をつなぐプラットフォームとして独自のポジションを確立。地元の人々との交流や、その地域ならではの体験を通じて「旅行者」ではなく「一時的な住民」になれる感覚を提供しています。
画像はairbnbのプロモーションより
 

「ストーリー」で顧客を物語の主人公にする

強いブランドは、顧客を巻き込む「ストーリー」を持っています。このストーリーは、顧客が自分自身を物語の主人公として位置づけられるものであるほど効果的です。

ナイキのストーリー: ナイキは「Just Do It」というシンプルなメッセージで、「内なる運動選手を解放し、自分の限界に挑戦する」というストーリーを提供しています。このストーリーの素晴らしい点は、プロアスリートから週末にジョギングする一般人まで、誰もが自分なりの解釈で主人公になれることです。

パタゴニアのストーリー: 「環境問題と闘う活動家としての企業」という明確なストーリーを持ち、製品購入を単なる消費行動から「環境保護への貢献」という意味ある行動に変換しています。顧客は商品を買うことで、このストーリーの一部となり、自分の価値観を表現できるのです。
 

一貫した「体験」でブランドを体現する

強いブランドの第三の特徴は、あらゆる接点で一貫した「体験」を提供していることです。

ディズニーの体験デザイン: ディズニーでは、パーク内の清掃スタッフから役員まで、全員が「ゲストに魔法の体験を提供する」というミッションを共有しています。施設のデザイン、スタッフの接客、食事、音楽に至るまで、すべての要素が「魔法の世界」という一貫したブランド体験を創り出すために緻密に設計されています。

スターバックスの体験デザイン: コーヒーの味だけでなく、店内の雰囲気、バリスタとの交流、BGM、家具のデザインに至るまで、すべてが「サードプレイス(第三の居場所)」という体験を実現するために統合されています。

※日本発の成功事例

無印良品: 「必要十分」「素材の見直し」「工程の点検」という3つの視点から、生活の基本となる商品を提供するというブランドの世界観は、過剰な消費社会への反省や持続可能性を求める現代の顧客心理に強く響いています。商品デザイン、店舗空間、広告表現に至るまで、すべての要素がミニマルでありながら温かみのある独自の世界観を一貫して表現しています。

メルカリ: 「新たな価値を生みだす。」という企業理念のもと、不用品を「捨てるもの」から「誰かの役に立つ価値あるもの」へと転換するストーリーを提供。このストーリーは、物の過剰所有への反省や、限られた資源の有効活用という現代の課題に応える形で顧客の共感を獲得しています。
画像はmercariのプロモーションより

次回は「ZMETで見つける、顧客の深層ニーズとは?」をテーマに、顧客インサイトを発見するための具体的手法について解説します。



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