ー CXビジョンがない会社で体験がバラバラになる理由
CX(カスタマーエクスペリエンス)を良くしたい。
そう思って動き始めたはずなのに、
・施策が増える
・会議が増える
・現場は忙しくなる
それでも顧客体験は、あまり変わらない。
そんな状況に心当たりはありませんか?
実はこれ、とてもよくあるパターンです。
原因はシンプルで、「CXビジョン」がないまま走り始めているから。
今回は、CX経営の“背骨”になるCXビジョンについて整理します。
CXビジョンとは「理想の体験」を共有するためのコンパス
CXビジョンというと、
・立派なスローガン
・抽象的な言葉
・額縁に入った一文
そんなイメージを持つ方も多いかもしれません。
でも本来のCXビジョンはもっと実務的です。
それは、
迷ったときに立ち返れる「判断の基準」
たとえば現場では、毎日こんな判断が起きています。
・この要望、どこまで対応する?
・納期を優先する?品質を優先する?
・今回は特例にする?
CXビジョンがないと、これらの判断は個人任せになります。
結果として、
・担当者ごとに対応が違う
・部門ごとに方針がズレる
・顧客体験がバラつく
つまり、組織が迷走し始めます。
CXビジョンは、組織全体の“コンパス”です。
CXビジョンがない会社で起きていること
CXビジョンが不在の組織では、こんな状態がよく見られます。
・現場は頑張っているのに評価されない
・改善提案が属人的になる
・CX施策が単発で終わる
・部門間で責任の押し付け合いが起きる
これは、能力の問題ではありません。
「どこを目指しているのか」が共有されていないだけです。
ゴールが曖昧なまま走れば、
速く走る人ほど疲れます。
CXビジョンがない状態とは、
組織全員が“地図なしで登山”をしているようなものです。
よいCXビジョンは「現場の言葉」でできている
よいCXビジョンとは何でしょうか。
ポイントは3つあります。
1. 顧客の体験として語られている
「業界No.1」ではなく
「困ったとき、最初に思い出される存在」
数字より、体験。
2.現場の行動につながる
「信頼される会社」ではなく
「約束したことは必ず守る」
抽象より、行動。
3.社員が自分ごととして語れる
経営の言葉ではなく、現場の言葉。
これがとても重要です。
CXビジョンは掲げるものではなく、
使われるものだからです。
CXビジョンはトップダウンで作らない
ここでよくある失敗があります。
経営層だけでCXビジョンを決めてしまうことです。
もちろん方向性は経営が示す必要があります。
でも、現場が関与しないビジョンは根付きません。
大切なのは、
・実際に顧客と向き合っている人
・日々の業務を回している人
こうしたメンバーと一緒につくること。
完璧でなくても構いません。
まずは粗くてもいい。
CXビジョンは「作って終わり」ではなく、
育てていくものです。
【今日からはじめる第一歩】
今日は、ぜひチームでこんな問いを投げてみてください。
「私たちは、お客様にどんな体験を持ち帰ってほしい?」
一文で答えられなくても大丈夫です。
出てきた言葉を並べてみる。
違いを話してみる。
それだけで、CX経営はもう始まっています。
【Series:CX経営スタートガイド:現場で動くCXをつくる】
第2回|CXビジョンとは何か — CXビジョンがない会社で体験がバラバラになる理由
本シリーズでは、CX経営のスタートガイドとして、「現場で動くCX」をどうつくるかにフォーカスして整理しています。CX経営を、組織行動・デザイン・オペレーション・デジタル・脱学習という5つの力のフレームワーク(=企業変革のOS)として捉えた全体構造は、以下で詳しく解説しています。