ミラノデザインウィーク2025：過去のシグナルから見える未来の可能性

こんにちは！mctのビクターです。

前回のブログでは、アメリカ・テキサス州オースティンで開催されるSXSW 2025（サウス・バイ・サウスウエスト）を紹介しました。
今回は、mctが過去に参加したことのある「ミラノデザインウィーク」について、そこで得られたシグナルの具体例とともに、２０２５年4月に開催予定のミラノデザインウィークをご紹介します。

2023年のミラノデザインウィークで得られたシグナルとは？

ミラノデザインウィークは、デザイン、文化、ライフスタイル、イノベーションの分野におけるトップクラスのイベントの一つです。

家具フェアとして始まったこのイベントは、ミラノサローネと、世界中のトップ家具プレーヤーや新進の才能が最新のコレクションを展示する場、そして街中のすべてのポップアップデザイン地区が融合したものとなっています。

これらの地区では、デザイナー、デザイン教育機関、家具メーカー、ファッションブランド、ライフスタイル雑誌、レストランなどが業界を刺激する作品を展示しています。

1週間にわたるこのイベント期間中、訪問者は数々の展示、インスタレーション、新製品発表、オープンショールーム、ツアー、トーク、パーティーを巡ります。

そこでは、あらゆる場所で無数の変化のシグナルが現れ、インスピレーションをもたらし、新たなアイデアのきっかけとなり、消費者や文化とつながるあらゆる業界が、今後数年でどのように変わっていくのかを示唆するサインを発見することができます。

私たちは2023年に、このイベントに参加し、数々のシグナルを発見しました。

以下に、2023年に特に注目したシグナルをご紹介します。

1. バイオマテリアルの急成長：自然素材が示す未来

2023年のミラノデザインウィークで特に目を引いたのが、バイオマテリアルへの関心の高まりです。

多くのデザイナーやメーカーが、再生可能で環境に優しい素材を使った製品開発に積極的に取り組んでいました。

たとえば、「PEELチェア」という100%ヘンプ製のスタッキングチェアは、そのままリサイクルできるように設計されており、持続可能なデザインの象徴的な例です。

消費者は、部品を分解することなく廃棄できるため、手間をかけずに環境に配慮した選択をすることができます。

このようなプロダクトから、今後の持続可能なデザインの基準が見えてきます。

また、藻類と水を使ったエネルギー源で照らすランプも注目を集めました。

このランプは、昼間に藻類がエネルギーを蓄え、夜間にそのエネルギーで光を灯す仕組みです。こうしたプロダクトは、化石燃料に依存しない未来のエネルギー開発の方向性を示しています。

2. デジタルと物理の融合：AIがもたらすデザインの進化

もう一つの重要なシグナルは、デジタルリアリティとAIの融合です。

AI技術の普及が進む前から、デザインの分野ではAIの活用を探る動きが見られ、ミラノデザインウィーク2023では、AIを活用したプロダクトが数多く紹介されました。

たとえば、AI駆動のアームチェアがその一例です。この椅子は、ユーザーが入力したキーワードに応じて形状を変えることができます。

AIがユーザーの精神状態や欲求に合わせてデザインをカスタマイズする未来が見えてきます。

このようなプロダクトは、パーソナライズされた体験を提供することを重視する今後のデザインの方向性を示唆しています。

また、「ザ・ラスト・ペンシル」というユニークなプロジェクトでは、物理的な鉛筆を使ってカスタムAI生成ドローイングにアクセスすることができます。

これにより、AIがクリエイティブ分野に与える影響についての議論を喚起し、創造性と技術の未来について考える機会を提供していました。

ミラノデザインウィーク2025の注目ポイント

これらのシグナルを得た場所、ミラノデザインウィークが開催されるのは、ヨーロッパのクリエイティブの中心地、ミラノです。
ミラノは、デザインとイノベーションの拠点として、毎年世界中からアーティストやデザイナーが集まる場所です。
アートギャラリーや博物館、ファッションブティックが立ち並ぶ街並みは、訪れる人々に新たな視点とインスピレーションを提供します。

イベントの合間にイタリアンワインを片手にデザインについて語り合うひとときは、他では味わえない特別な体験です。
こうした体験を通じて、参加者は未来のトレンドを肌で感じ取り、次の戦略を構築するための新しい視点を得ることができます。

mctが提案する三つのプラン

過去のブログでも述べてきたように、シグナルは価値のシフトを示すものであり、それらはSNSトレンドや若者の行動、食文化、社会的意見、政策など、あらゆる領域に現れる可能性があります。それらを理解し、分析することは、未来の探索や戦略策定において重要です。

そこで、次の3つの参加方法をご提案させていただきます。

リモート探索：
イベントに参加する時間がない方のために、mctのメンバーが代わりに現地に行き、最新のシグナルを収集し、レポートを通じてチームにフィードバックします。ヨーロッパ市場や世界の他の地域に向けて、リモートでインスピレーションを得ることが可能です。

現地探索：

現地での参加を希望する方のために、mctのメンバーが同行し、参加者や出展者との対話をサポートします。
ミラノデザインウィークの会場だけでなく、周辺地域の変化の兆しを探ることも可能です。
現地での即興的なディスカッションや新しいリードの探索を支援し、イベントを最大限に活用できるようサポートします。
シグナル研修：
シグナルの収集や分析に関心がある方には、ミラノデザインウィークを教材にした実践的なトレーニングを提供します。
イベントで得たシグナルを使って、将来の戦略やイノベーションに活用できるスキルを身につけましょう。