ほぐれるCX
CXにまつわる様々なテーマをほぐしながら、実践につながる考察をお届けします。
「私には創造性がない」
そんな風に思っている人がいます。しかし、それは大きな誤解です。創造性は特別な才能ではありません。すべての人に備わった、学習と成長の自然なプロセスです。
「ゼロから何かを生み出すこと」だけが創造ではない
多くの人が抱く創造性のイメージは、アーティストが白いキャンバスに絵を描いたり、発明家が世界初の技術を開発したりする場面かもしれません。しかし、創造性はもっと身近で日常的なものです。
創造性とは、経験を新しい知識に変換するプロセスです。
コルブの学習スタイルで理解するあなただけの創造性
あなたの創造性はどのタイプ?
経験する(Experiencing)
想像する(Imagining)
内省する(Reflecting)
分析する(Analyzing)
思考する(Thinking)
決定する(Deciding)
行動する(Acting)
開始する(Initiating)
バランスをとる(Balancing)
「想像する」タイプだけが創造的なのではありません。「分析する」タイプの論理的な創造性も、「行動する」タイプの実践的な創造性も、どの学習スタイルも独自の創造性を持っているということです。
メタ認知:創造性を意識化し、高める
自分の創造性に気づけないのは、無意識に創造的行為を行っているからです。創造性を高める鍵は、メタ認知—自分の思考プロセスを意識し、鍛えることです。
1. 自分の創造パターンの発見
2. 思考の柔軟性の向上
3. 学習の質の向上
メタ認知を鍛える簡単な方法
毎日5分の振り返り習慣
思考プロセスの実況中継
チームの創造性:多様な学習スタイルの力
個人の創造性を理解したら、次はチーム全体の創造性を考えてみましょう。ここに、学習スタイルの多様性が真価を発揮する場面があります。
なぜ多様性が創造性を高めるのか?
認知的多様性の実現
・「経験する」タイプが現場の生の声を持ち込む
・「分析する」タイプがデータに基づく裏付けを提供
・「想像する」タイプが既存の枠を超えた発想を提示
・「行動する」タイプがアイデアの実現可能性を検証
創造的摩擦の発生
異なる学習スタイルの人同士の建設的な対立から、新しい視点や解決策が生まれます。「なぜそう考えるのか?」という問いかけが、全員のメタ認知を促進します。
あなたの創造性を解放する3つのステップ
ステップ1:自分の学習スタイルを知る
9つの学習スタイルの中で、あなたが自然に使っているものはどれですか?日常の問題解決場面を振り返り、自分なりの創造パターンを発見してください。
ステップ2:メタ認知を育てる
自分の思考プロセスを意識化する習慣を身につけましょう。「なぜそう考えたのか?」「他のアプローチもあるのでは?」と自分に問いかけることから始めてください。
ステップ3:多様性を活用する
自分とは異なる学習スタイルを持つ人との協力を積極的に求めましょう。あなたの創造性と他者の創造性が組み合わさった時、チーム全体の創造力は飛躍的に向上します。
創造性は特別な才能ではありません。それは、経験から学び、新しい知識を創り出すという、人間が本来持っている自然な能力です。その第一歩は、今日の小さな工夫や気づきを「創造的行為」として認識することから始まります。
次回は、一見価値がないように思える「待つ」という行為について深く掘り下げていきます。どうぞお楽しみに。
Written by Hideaki Shirane
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