2022.08.03
Blog|オフィスワークをアップデートしよう
オフィスで顔を合わせないとできない仕事がある ー。
コロナが収束へ向かうにつれて、こんな言葉をよく聞くようになりました。実際に出社してオフィスで働くスタイルも少しずつ戻りつつあるようです。しかしオフィスワークへの回帰が本当に正しい流れなのでしょうか。今回はこれからのオフィスワークのあり方について考えます。
いくつかの働き方に関するアンケート調査によると、リモートワークの働き方に対しては一定の評価がある一方で、オフィスワークに戻りたい、あるいはリモート&オフィスのハイブリッドで働きたいという声も大きいようです。リモートワーク中心の働き方が長く続いたことで、その弊害として、コミュニケーションが取りづらくなった、孤独感やストレスを感じるようになった、教育の機会や質が低下した…といった様々な問題が表出化してきたことが背景にあります。
確かにオフィスワークに対面やリアルならではの良さがあることは事実です。そしてその良さを活かすためにオフィスワークの比重を少しずつ戻そうとすることは一見正しい取り組みに見えます。しかしながらそこで考えるべきオフィスワークは、以前までとは異なる新しいオフィスワークであるということです。
リモートワークのためのオフィスワーク
これからのオフィスワークのあり方を考える上で最も重要なことは、ワークスタイルの軸足はリモートワークであるべきだということです。これは好き嫌いの問題ではありません。「うちの会社は事情が違う」という個別の問題でもありません。リモートワークを主にしない組織に成長はないということです。
リモートワークによって、われわれは時間や場所の制約を超えて様々な人や組織とつながり、共創ができるようになりました。企業組織の中はもちろん、外部も含めた多様なステークホルダーとつながることで、単一の個人や組織では生み出すことのできなかった価値を生むことができるようになったのです。今後もこの流れはますます加速し、オンライン上での多様なつながりを活かせる者は強くなり、それができない者との差はどんどん開いていくでしょう。
そしてダイバーシティやインクルージョンの観点でも、リモートワークは多くの働き手にとって優しく、魅力的な選択肢になります。自分に合ったスタイルで働きたいという価値観が強くなる中で、優秀な人材はリモートワークで従業員個別の事情や信条に配慮してくれる組織に集まっていくことになります。リモートワークは企業にとって必須であり、基本となるワークスタイルなのです。
こういったトレンドの中で、オフィスワークの意味合いもこれまでとは変わってきます。オフィスワークはそれ単体ではなく、リモートワークとセットで「リモートワークを効果的に機能させるためにオフィスワークがある」という位置付けで捉えられるようになります。あくまでもリモートワークが「主」で、オフィスワークはそれを支える「従」であるという関係性です。
オフィスワークをバージョンアップする
コロナ前のオフィスワークは、リモートワークとのハイブリッドを前提としていませんでした。「リモートワークのためのオフィスワーク」と位置付けることで、オフィスワークにもこれまでとは違った可能性が見えてきそうです。コロナ禍を経た今だからこそ、オフィスワークのあり方もアップデートできるということです。
オフィスで仕事をする際にも新しい作法が生まれてきそうです。例えば具体的な例として、オンラインホワイトボードのmiroをオフィスで利用することが挙げられます。miroはオンラインでもオフィスでホワイトボードを囲むのと同じようにグループワークできるということで、コロナ禍のリモートワークで非常に重宝されました。
もともとはリアルでの活動をオンライン上で再現するというコンテクストで使われるようになったmiroですが、実はオフィスで集まりながらみんなでmiroを使うのも効果的です。実際、mctの会場型ワークショップでは、かつてのように模造紙やポストイットを使うのではなく、みんながそれぞれPCでmiroを見ながら対話と作業を並行して進めていくスタイルで行っているものもあります。最初は少し違和感もありますが、慣れてくるとハッカソンの現場のように、スムーズに意思疎通しながら共同作業ができるようになります。そしてmiroで行われた作業はそのままリモートワークでの作業へと引き継がれていきます。
ここで大事なことは「リアルで会場に集まるから紙のポストイットを使おう」と考える方が、かえって無駄な作業を増やしたり、コミュニケーションを複雑にしたりしてしまう可能性があるということです。過去のオフィスワークの慣習や形式が新しい働き方における障害となってしまうのです。
miroの話題はほんの一例に過ぎません。これからのオフィスでの働き方は過去のスタイルを前提にするのではなく、ハイブリッドを前提とした新たなオフィスワークのあり方を模索し、確立しなければいけないのです。そしてそれは、コロナ禍で炙り出された過去の働き方の無駄や非効率を排除するということでもあります。
もちろんこうした変革にはストレスや抵抗が伴います。しかし今が変革のチャンスであることもまた事実です。今一度、自社の組織を顧みてこれからのオフィスワークやハイブリッドワークについて考えてみてはいかがでしょうか。
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Akihiro Yonemoto
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