2022.10.11
Blog| 組織カルチャーを強化し続ける
こんにちは、組織デザインチームの池田です。
今回は組織カルチャーの維持・強化についての話です。
最近では少しずつではありますが、クライアント企業の方より、「より良い組織カルチャーを醸成したい」「ボトムアップで従業員自身が働きやすい環境を作りたい」というご要望を聞く機会が増えています。
そのような時は、前述のブログ『カルチャーコードをアップグレードする』でもお伝えしたように従業員自身の手で「カルチャーコード」を作っていただくことをご提案することがあります。
ですが「カルチャーコード」が無事に完成できたら、それで終わり!という訳にはいきません。組織カルチャーとは意識的に育て、磨いていくことで維持・強化が必要なものだからです。そうでなければ、煩雑な日常に飲まれて、あっという間に元の組織カルチャーに後戻りしてしまいます。
今回は、組織カルチャーの維持・強化に役に立ちそうな5つの要素についてお伝えします。
2.実際の行動
3.儀式
4.アーティファクト
5.働くための環境
組織カルチャーを構築する5つの要素
1.共有化された目的
まずは組織の存在意義、目的が明示されているかどうか。また、それはそこで働く従業員を勇気づけ、所属意識を高めてくれるものかどうか、が重要です。最近では「パーパス経営」という言葉で聞くように、社会的意義のあるパーパスを掲げることが企業としての存在価値を高め、従業員のモチベーションに大きく作用すると考えられています。
2.実際の行動
どれだけ聞こえのいいパーパスを掲げても、実際の社員の行動と合っていなければ何の意味もありません。「自律的な働き方」と掲げながら、実際は規則やルールで社員の行動制限が厳しすぎたり、「顧客の成功を支援する」と言いながら、実は営業ノルマのプレッシャーが大きすぎて顧客中心の活動がしづらいといったこともあります。組織は魅力的なパーパスを掲げると同時にそれは「有言実行」であることが求められます。
以下の3つは、「1.目的」と「2.実際の行動」を強化するものとして取り入れると効果的です。
3.儀式
「儀式」と聞くとやや大袈裟に聞こえるかもしれませんが、事業活動の中で繰り返し行われる、形式化された行事、イベントを指します。入社式や全社イベント、年次レビュー等がそれに当たります。以前のブログでもご紹介したコニカミノルタ社の表彰イベント「Transform Awards」もその1つと言えます。こうした儀式は組織の目的を強化し、社員自身に改めてこの組織に所属している意味について考えてもらうのに役立ちます。
10月3日には、mctでもオンサイトで久しぶりに集まるインナーイベント「Reunite!」を実施。2022年度の振り返りとともに、2023年の展望について皆で共有しました。その様子は次回のブログで詳しくお伝えします。
大阪オフィスと東京オフィス、Zoomでそれぞれ集まり、
オンラインで繋いだインナーイベントの様子
4.アーティファクト
アーティファクトとは、その組織のカルチャーが可視化された象徴的なモノです。例えば身につけているだけで誇らしいと感じられる制服やバッジ、逆に規制なく自分の好きなファッションで働けるということもその組織のカルチャーを表しています。こうした物理的なモノに限らず、例えば休憩時間のことを(心身の健康のために大切な)「プライムタイム」と呼ぶ企業があったり、mctではSlackでオリジナルのスタンプを押し合うことが組織カルチャーの醸成に一役買っています。強制ではなく思わず社員が使いたくなるような、その企業らしいユニークなアーティファクトがあると良いですね。
カルチャーコードに合わせてSlackのスタンプを作成
5.働く環境
社員が本来あるべき行動ができるようにサポートするためのデバイスやソフトウェア、適切な作業スペース(自宅も含む)を用意することも重要です。イノベーションを起こすことを課せられている部門なのに、セキュリティルールが厳しすぎるために最新のアプリやツールが一切使えない…という状況を目にすることも多々あります。環境やツールから人が受ける影響は想像以上に大きいものです。環境やツールが変わるだけで発想力やモチベーション、チームワークが高まることもあれば、その逆もあり得ます。セキュリティや費用対効果だけでなく、組織カルチャーにどんな影響を与えるかを考慮した上での経営判断が求められます。
メタバースも試してみました!(継続するかどうかは検討中…)
いかがだったでしょうか。
みなさんが所属している組織ではどのような儀式やアーティファクトがあるでしょうか。また、組織カルチャーの醸成を促進するような環境やツールは整っているでしょうか。
いきなり大掛かりな変化を起こすにはコストも時間もかかりますが、まずはラピットプロトタイピングとして、チームの中での成果(あるいは失敗の)発表会やお祝い会など、小さなイベントを企画してみるのも良いかもしれません。大切なことは、様々な施策を1回限りのものとして終わらせずに、地道に、そして楽しみながら続けていくことだと思います。みなさんの組織で実施されている工夫があればまた是非教えてください。
参考資料:
『The Four Characteristics Of Organizational Culture』
December 16, 2021
By Angelina Gennis, Nick Monroe with James McQuivey, PhD, Keith Johnston, Tyler Castro, Rachel Birrell
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Eiko Ikeda
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