2024.02.29
Blog|学習体験のデザイン -Learning Experience Design-
こんにちは、組織デザインチームの米本です。
(mctの組織デザインサービスについての資料はこちらよりダウンロードできます)
教育の分野において「学習体験デザイン(Learning Experience Design)」という考え方が注目されているのをご存知でしょうか? 学習者の知識やスキルの獲得のために学習者自身の視点に立って学習プログラムを設計しようというアプローチで「LXデザイン」とも呼ばれます。今回はこの学習体験デザイン(LXデザイン)についてご紹介します。
教育×UXデザイン
学習体験デザイン(LXデザイン)をより端的に言うならば"教育×UXデザイン"です。UXデザイン(User Experience Design)においてユーザーのプロダクト利用体験をより良いものにしようとするのと同様に、LXデザインでは学習者のより良い学習体験を提供することを目指します。UXデザインの考え方を教育に応用したものがLXデザインなのです。
師匠と弟子の関係からの脱却
学習者の視点に立って教育を行うことは当たり前のように聞こえるかもしれません。しかし、かつての教育において教育者と学習者の間には「師匠と弟子」と呼ばれるような教える側と学ぶ側の関係性がありました。教える側である師匠はどのような技術を伝授するか、どうやって伝えるかを考え、学ぶ側である弟子の学習は師匠の設計した枠組みによって行われました。昨今ですら学校、塾、部活動、企業研修などのさまざまな教育シーンにおいて、まだまだこういった前提が強く残っているように感じます。だからこそ教育分野にUXデザインの考え方を持ち込んだ学習体験デザインは画期的な変革であると言えそうです。
以下に学習体験デザインのポイントをいくつかの観点で整理してみました。
1. ターゲティング
従来の教育では、一般的で共通化されたニーズに合わせた教育システムを提供することが目的でした。学生は一斉授業で同じことを学び、特定のテストに合格することが求められました。一方、学習体験デザインでは、個人が自分自身の学習ニーズに合わせて学ぶことを可能にするため、学習者は自分が欲しいコンテンツを、自分に合ったスタイルで学習することができます。
2. フィードバック
従来の教育では、受講者が自分の学習成果を正確に把握できなかったり、フィードバックを受ける機会が少なかったりして、学習へのモチベーションを高めることの難しさがありました。一方、学習体験デザインでは、適切なタイミングで適切なフィードバックを行うことで受講者が自分の学習成果を正確に把握し、モチベーションを高めていくこと重視しています。
3. コラボレーション
従来の教育では、学習者が個人で学習を行うことが一般的であったため、参加者間での情報の交換が制限されていました。一方、学習体験デザインでは、参加者同士の交流が学習効果を高めるという前提に立ち、参加者が情報を共有し合い、協力して学習を促進することを重視しています。
4. プロジェクトベース
従来の教育では、講義やテキストで知識を広げることが一般的で、学習者が実際にプロジェクトを行う機会はほとんでありませんでした。一方、学習体験デザインでは、学習者が実際のプロジェクトを行うことで知識を習得していくことを重視しています。この背景には学習者が実践的な活動を通じて体験しながら学習することによって高い学習効果を期待できるという考え方があります。
昨今、教育の分野においては、リスキリングやアンラーニング、人的資本経営といったワードが話題になるなど、人材に積極的に投資しようとする動きが広まっています。学習体験デザインも間違いなく今後の人材育成の注目のトレンドとなりそうです。mctが提供する組織づくりや人材育成のサービスではいずれもこの学習体験デザインのアプローチを採用しています。ご興味のある方はぜひ下記より資料をダウンロードください!
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Akihiro Yonemoto
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