こんにちは、mctデザインインサイトユニットの程野(ほどの)です。
さて、唐突ですが、テレビ番組のお話です。
テレビ番組はかつて、人のほうが番組をやっている時間に合わせてテレビの前に座って観る、というのがあたりまえでした。その昔、人気番組を観るために銭湯から人が消えた、という話もあるくらいで、その番組を観るためにいつもなら銭湯に行っていたところをわざわざ予定を変更して、テレビの前に座っていたわけです。
そういえば、私も中学生のころ、夕方の再放送タイムの番組が観たくて、部活をさぼって自転車を必死に漕いで家に帰ったことがありますし、挙句の果てにはその番組観たさに部活をやめてしまいました。
ところが、今ではパソコンやスマホなどで自分の好きな時間に、好きな場所で番組を楽しむことができるようになりました。もちろん、まだすべての番組が観られるわけではありませんし、未だにテレビの前に座らせることが主流ではありますが、数年前から考えるとコンテンツを楽しむための選択肢が増えたという点では格段の進歩であり、まさにイノベーションと言ってもいいと思います。そしてあと10年もしないうちにテレビ番組のタイムテーブルなんてものはなくなって、コンテンツリストに変わってしまうのかもしれません。その時代の若者に「昔は人気番組を観るために銭湯から人が消えたんだよ」という話をしても、価値観が違いすぎて笑ってもくれないかもしれません。
と、前置きが長くなりましたが、ここからが本題です。
ユーザーや企業は、何かしら現状の枠組みの中で、無意識に「暗黙の前提」を形成し、それをあたりまえのことと考えて妥協し、その中での快適さを求めて日々暮らし、活動しています。テレビ番組も、送り手と視聴者の間には、長い間「人のほうが番組をやっている時間に合わせてテレビの前に座って観る」ことがあたりまえのこととして埋め込まれていました。
そうした例は周りを見渡せばいくらでもあると思いますし、今現在、何か新しいことを生み出そう、何かを変えようと奮闘しているのに、いまいちドライブがかからない、うまくいかない、とお悩みの方がいらっしゃったとしたら、それはもしかしたら従来の枠組みをあたりまえとしてとらえ、そのあたりまえの中で奮闘しているからなのかもしれません。
このような、今はあたりまえのこととしてさまざまな場面に埋め込まれているバイアス、つまりユーザーと企業との間にギャップを生み出している「暗黙の前提」を認識し、疑うことによって問題解決の視点を広げることができる「ギャップファインディング」という名前のメソッドを、mctではご用意しています。
ご興味のある方は、ぜひお問い合わせください。テレビ番組を場所と時間から解き放つような、そんなイノベーションのお手伝いをさせていただきます。
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