2025.03.28
Blog|釣り具を通じて考える環境負荷とデザインの責任

普段何気なく使っている製品が環境や人に与える影響について考えたことはありますか?
プロダクトジャーニーマップを活用することで、製品のライフサイクルを可視化し、
ステークホルダーへの影響を理解し、
サステナブルなビジネスモデルの構築を検討することができます。
海に沈んだ釣り具の行方は?
暖かくなって、アウトドアが楽しい季節になりました。
私も趣味で釣りをしておりまして、来月は明石までタコ釣りに行く予定です。タコ釣りですが、釣りをされない方から「どうやって釣るの?」と質問されることがよくあります。タコは、「餌木(エギ)」と呼ばれるプラスチック製の仕掛け(とげとげした針がたくさんついています)を海に落として引っかけるように釣るのですが、実は今このエギによる環境への影響が問題になっています。
先ほど書いたように、エギはとげとげしています。そのとげでタコを引っかけるわけですが、同時に海底の海藻や岩に引っかかる「根がかり」も非常に多い構造になっているため、一度根がかりしてしまうと簡単には回収できず、糸を切ってしまうしかありません。こうして糸を切られたエギがどんどん海底にたまっていき、次に書くようなトラブルの原因になってしまいます。
先ほど書いたように、エギはとげとげしています。そのとげでタコを引っかけるわけですが、同時に海底の海藻や岩に引っかかる「根がかり」も非常に多い構造になっているため、一度根がかりしてしまうと簡単には回収できず、糸を切ってしまうしかありません。こうして糸を切られたエギがどんどん海底にたまっていき、次に書くようなトラブルの原因になってしまいます。
- プラスチック汚染
エギの多くはプラスチック製であり、紛失や放置されることで海洋プラスチックごみとなります。プラスチックは自然に分解されにくく、長期間海中に残り続けます。 - マイクロプラスチック問題
時間が経つとエギは波や紫外線の影響で細かく砕け、マイクロプラスチックとなります。これが海洋生物に摂取されることで、食物連鎖を通じた生物濃縮のリスクが高まります。 - 有害物質の溶出
一部のエギには着色料や光沢剤などの化学物質が含まれており、水中でそれらが溶け出す可能性があります。 - 誤飲による生態系への影響
魚や海洋生物がエギを餌と間違えて摂取することで、消化器官の閉塞や栄養不足による死亡リスクが生じます。 - 鉛部品の問題
一部のエギには鉛を含む部品が使われており、水中で溶出することで水質汚染の原因となります。 - 漁場への物理的影響
岩礁や海底に放置されたエギがサンゴや海藻などの生息環境を損なう可能性があります。
このような懸念から、なるべく環境負荷の低い素材を使った釣り具なども少しずつ販売されるようにはなってきましたが、いかんせん高価で、「すぐ無くす消耗品に高いお金をかけるのは・・・」と釣り人から敬遠されてしまっているのが現状です。ただし、まだ少数ではありますが、海に還りやすい素材を使ってエギを作ったり、そもそも根がかりしないよう針の形状を工夫したりと、未来の環境を見据えたモノづくりは、釣りの世界でも確実に意識されるようになってきています。
プロダクトジャーニーマップという考え方
製品は、構造設計、素材調達、製造、輸送、販売を経てユーザーの手に渡ります。そして、使用され、最終的に廃棄されるまで、多くのステークホルダーが関与し、さまざまな影響を及ぼし合っています。
私たちは、こうした製品ライフサイクルを可視化するデザインアプローチを「プロダクトジャーニーマップ」と呼んでいます。このツールを活用することで、製品が市場に出てから廃棄されるまでのプロセスを理解し、各段階でどのようにサステナビリティを取り入れるべきかを検討できます。
私たちは、こうした製品ライフサイクルを可視化するデザインアプローチを「プロダクトジャーニーマップ」と呼んでいます。このツールを活用することで、製品が市場に出てから廃棄されるまでのプロセスを理解し、各段階でどのようにサステナビリティを取り入れるべきかを検討できます。
プロダクトジャーニーマップ体験ワークショップ
mctでは、プロダクトジャーニーマップを作成するワークショップを不定期で開催しています。テーマとして「Tシャツ」を取り上げ、「綿の栽培」から「廃棄」までのプロセスを通じて関わるステークホルダーを深く理解し、サステナブルなビジネスモデルの構築を学びます。「Tシャツ」を自社のプロダクトに置き換えた場合をイメージしながら、実践的な学びを得ることができます。
プロダクトジャーニー体験ワークショップは、オンライン・オフラインの両方で実施可能です。社内研修としてご活用いただくことも増えていますので、ご興味のある方はぜひご連絡ください。
プロダクトジャーニー体験ワークショップは、オンライン・オフラインの両方で実施可能です。社内研修としてご活用いただくことも増えていますので、ご興味のある方はぜひご連絡ください。
さらに詳しく知りたい方のために、
- ・使用するシート・カード・アイデア発想ツール
・当日のアジェンダやレクチャー資料
・過去のワークショップの様子
Tシャツのプロダクトジャーニー

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Natsuki Koizumi
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