2025.02.27
パタゴニアは製品の製造やリサイクルにおいて環境フットプリント削減と持続可能性を重視し
ステークホルダーを巻き込む取り組みを行っています。
私たちはこのような製品のライフサイクルを可視化するデザインアプローチを
プロダクトジャーニーマップと呼んでいます。
パタゴニアのパーパス
パタゴニアという会社を知っていますか？
高品質のアウトドア用品のメーカーですが、サステナビリティに対する先進的な考え方と取り組みでも有名です。その姿勢は、全ての株式をパタゴニアの目的を守る団体と地球環境保護団体に全て譲渡して、株主の利益よりも環境保護を優先し、会社が生み出す利益を環境保護活動に使うことを決めたことにも表れています。
素材のサスティナビリティ変革
パタゴニアの取り組みの一例として「ネットプラス」という廃棄された漁網から作られる100％リサイクル素材があります。この素材はベンチャー企業と共同で開発し、自社のサプライチェーンに統合しています。これは単なる資源循環としてのリサイクルではなく、次のような環境問題に取り組み、影響を及ぼすことを目指しています。
- 海洋プラスチック汚染の削減
ネットプラスは、廃棄された漁網を回収し、リサイクルすることで、海洋に廃棄されるプラスチックの量を削減する。 - 海洋生物の保護
毎年65万匹以上の海洋動物が漁具によって命を落としたり、負傷したりすると推定されている。漁網を回収することで、これらの海洋動物が漁網に絡まってしまう事故を防ぎ、海洋生態系を保護することを目指している。 - バージン・プラスチックへの依存度低減
回収された漁網をリサイクルすることで、新たなプラスチックを製造する必要性を減らし、資源の節約に貢献する。 - 漁業コミュニティへの貢献
漁網の回収プログラムを通じて、漁業コミュニティに補足的な収入を提供し、経済的な支援を行う。 - 埋め立て地への廃棄物削減
漁網が埋め立て地に廃棄されることを防ぎ、環境負荷を低減する。
素材のリサイクルが与える影響とインパクト
このようにパタゴニアのサステナビリティに対する姿勢は、自社製品だけでなく、ステークホルダー全体（環境資源や影響を受ける人々も含む）を巻き込むアプローチになります。これは、企業が単に製品を販売するだけでなく、その製品が社会や環境にどのような影響を与えているのかを深く考え、関連するステークホルダーに対してもサステナビリティの意識を浸透させることを意味しています。
例えばパタゴニアのネットプラスの場合、漁網の修繕に関わる仕事をしていた人の生活の質の改善はもちろん、そこで働く人たちが地元の海洋資源の保護のために働いているという実感と誇りを持てるようになったという変化が語られています。
プロダクトジャーニーマップという考え方
私たちはこのような製品の人生（ライフサイクル）を可視化するデザインアプローチ手法を「プロダクトジャーニーマップ」と呼んでいます。プロダクトジャーニーマップとは、製品のライフサイクルにおいて関与する様々なステークホルダーを可視化し、それぞれがどのような影響を与え合っているかを理解するためのツールです。このマップを通じて、自社製品が市場に出るまでのプロセスを理解し、その過程でサステナビリティをどのように取り入れるかを具体的に考えることができます。Tシャツを題材にした体験ワークショップでは、参加者がプロダクトに関わるステークホルダーを深く理解し、サステナブルなビジネスモデルの構築を目指すための実践的なステップを学べます。そして自社のプロダクトに置き換えたときにはどうなるのか？をイメージすることができるようになります。
プロダクトジャーニー体験ワークショップは不定期で開催しています（オンライン、オフラインの両方）。また、お声がけいただければ持ち込むことも可能です。前回、ご紹介したリーバイスのように自社のステークホルダーを巻き込んだサステナビリティの向上に向けた一歩を踏み出しましょう。
プロダクトジャーニーマップ体験ワークショップの詳細について
プロダクトジャーニーマップ体験ワークショップについてさらに詳しく知りたい方のために、使用するシート・カード・アイデア発想ツールなどの資材や、当日の具体的なアジェンダ・レクチャー資料、過去に実施したWSの様子を確認できるmiroボードを用意していますので是非ご覧ください。
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