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2019.09.05

(第6回)デザイン思考を用いたビジネスデザイン [ソリューション探索編]

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mctビジネスデザインユニットの杦木(すぎき)です。
 
「アイデア出しをしたがその受容性がわからないので検証したい」といったご相談をいただくことがあります。
 
機会探索のフェーズを終えて「こんな顧客が抱いているこんな困り事・ニーズに対して、自社としてはこんなことができそう」というビジネス機会が見えてきても、プロダクトやサービスを具体的に作り込んでいく中で、どの方向に進んでいいか迷いが生じてしまい、進路を見失った感覚に陥る開発担当者は少なくないと思います。
 
 
大きな方向転換は早めに済ませる
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受容性を評価していく中でターゲット顧客が「このまま状態のサービスをぜひ利用したい!」となるケースは稀なので、アイデアの良し悪しを評価することよりも、一連のプロセスを通して方向性を修正し、よいソリューションを探索していくことの方が重要になります(特に検討初期段階)。
 
これは「リーンスタートアップ」の中でも語られることですが、考え出したビジネスアイデアにおけるリスク(方向性の修正が必要になり得る要素)を洗い出した上で、大きなリスクから検証し、大きな方向転換は早めに済ませる方が限られたリソースを有効に使えます。
 
 
ニーズがあると思って始めたビジネスの多くが、ニーズがなくて失敗している。
最も大きなリスク=「顧客と課題の間のフィット感があるか?」をまず検証する 
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一般的に、最も大きなリスクは「顧客と課題の間にフィット感がない」ことと言われます。これまでのフェーズで検証できていない場合は「着目している課題は、本当に顧客にとって解決したいと思う課題か?」という点の確認に重きを置きます。また、サービスを成り立たせるために欠かせないステークホルダーがいる場合は、その人たちの課題に対してフィット感があるかも重要です。
 
顧客と課題の間のフィット感を確認できたら、課題とソリューションの間にフィット感があるか確認します。これには顧客の視点で見た時に、自社が提案するソリューションが顧客の課題解決になっているかという観点と、そのソリューションが実現可能かという観点で、検証を進めていきます。実現可能性については早い段階から詳細に詰めていく必要はないかもしれませんが、そもそも顧客に提供できる価値が変わる可能性があるようなサービスの核になる部分の実現可能性は早めに検証することをお勧めします。
 
 
行動変容のドライバーを捉える
 
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デザイン思考的なプロセスで機会探索を行っているのであれば「実は顧客はそんなことをまったく必要としていなかった」ということはめったにないと思います。ただそれでも「顧客は確かに課題は抱えているけど、アクションを起こして解決したいほどではない」「課題を解決したい気持ちより、それを躊躇うハードルの方が大きい」(課題フィットにおける問題)、あるいは「確かに解決したいけど、このサービスはなんか使う気になれない」(ソリューションフィットの問題)ということはしばしば起こります。
 
あるソリューション案を提示したときに、顧客は過去の経験などから形成されたメンタルモデルやそのときの環境からソリューション案への期待値は生まれ、それがほしいかどうかの評価につながります。この態度形成の要因(ハードルやドライバー)をつかみ、ソリューション案がどのように位置づけられているかを理解しておけば、市場での顧客の反応を予測するのに役立ちます。そして、このドライバーをソリューションに反映していくことが重要です。 
 
mctはもともとインサイトリサーチを得意としてきました。このノウハウを活かして、ソリューション探索プログラムでは、顧客やステークホルダーに行動変容を促すようなソリューション開発をサポートします。ビジネス機会を見つけた後のステップでお困りの場合、ご相談いただければ、それぞれの状況に合わせた進め方を提案させていただきます。
 
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