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2023.06.16

Blog|デザイン×サスティナビリティセミナーレポート 第3回「デジタル」編

3 月17 日に行なわれた「デザイン×サスティナビリティセミナー」について、このブログでは、「環境」「デジタル」「社会」のテーマごとに、全3 回の連載形式でおさらいしていきます。

今回は、「デジタル」のパートについて取り上げ、「デジタル×サスティナブル」をテーマに、世界中から集めた事例をご紹介します。

デジタル事例のポジティブ/ネガティブ

 

▼データ転送量を抑えたウェブサイト

データ転送には当然電力が必要であり、それがCO2の排出を生み、やがて気候変動につながる…という考えのもと、多くの企業が、デザイナーが、ウェブサイトをよりシンプルにすべく、コードによる複雑さを最小限に抑え、画像も最小限にとどめるようになりました。そうして作られたウェブサイトは「Low Impact 」と呼ばれ、通常のウェブサイトと比較してデータ転送を最大70%削減させています。URLを入力するだけで、自社サイトの環境負荷度を測定できるサービスも注目を集めました。
karmametrix:https://karmametrix.com/

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▼デバイスを修理する「権利」が求められている

ヨーロッパの人々の77%が、新しいものを買うより、修理して古いものを使い続けることを望んでいます。このため、ヨーロッパでは、政府・大手民間企業が牽引役を担い、「修理」が一般的な社会への移行を推進しています。欧州議会は、「修理の権利」を優先事項として設定し、修理が体系的で費用対効果が高く魅力的なものになるよう、多くの法律とガイドラインを設定しています。

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▼時給2ドルでChatGPTのコンプライアンスを支える労働者達

たとえば「●●という職業に適した人材は?」といった質問をChatGPTにぶつけたとき、なんの根拠もなく「男性」「●●人(特定の人種)」といったバイアスのある回答が返ってくることがあり、主にテックの世界で問題視されています。こうした課題をクリアにし、より多様性のある回答にするために、OpenAIが時給2ドル(約270円)以下のケニア人労働者を外注していたことが、TIMEの調査により判明しました。

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▼トイレ中の女性をルンバが撮影し、動画が流出

ルンバがトイレにいる女性を録画してしまい、スクリーンショットが流出するという事件が起こりました(なぜ流出したのかはわかっていません)。メーカー側は、撮影された画像は安全に保管されると主張していますが、私たちのデバイスからグローバルなサプライチェーンを通じてデータが移送されることによって、リスクが生じる可能性は否定しきれません。

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当たり前のように何もかもがデジタル化された現代の環境では、私たちを取りまく技術の背後にある「倫理」まで考えることが不可欠と言えます。本当の意味でサスティナブルなデジタルを提供するには、アクセシビリティ以外にも、環境への影響、健康への影響、誰にとっても公正であるか…といったところまで考えなければなりません。

▼セミナーでは他にも多くのサスティナブル事例を紹介しています。
▼こちらから実際のセミナーの様子がご覧いただけます。

Sustainability Seminar Chapter2 Digital

次回は「社会」のパートについて紹介します。

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