2025.07.29
Blog|サスティナブルなプロダクト体験がCXを次のレベルへ引き上げる

「本当は修理して使い続けたかった」——そんな想いが叶わず、泣く泣く買い替えを選んだ経験はありませんか?今、欧米では“修理する権利”が注目され、サスティナブルな製品体験が企業と顧客の関係性を変え始めています。
猛暑が続き、気候変動を肌で感じる時代、サスティナブルがCXの重要なキーワードとなっています。
本当は、修理して使いたかった…
先日、友人との会話でこんな内容がありました。
「最近洗濯機の調子が悪くて。見た目はキレイでまだ使えそうだけど、修理代が高くて、結局買い替えたほうが安いと思って探しているんだ。でも本当は今の洗濯機を気に入っているから使い続けたいんだよね」
ちょうどその頃、私も愛用していたワイヤレスイヤホンの片方が故障しまい、同じような経験をしていました。もう片方は正常に動いているから修理して使い続けたい、そう思って調べたら、修理費が高く、これならば新品を買わないと損してしまうと感じ、もったいない気持ちがありながら、泣く泣く買い替えました。
本当は直して使い続けたかった。でも、それができないのがとても悔しかったです。
修理する権利が進む欧米の動き
欧米では「修理する権利(Right to Repair)」が社会的に注目され、実際に企業の取り組みとしても広がりを見せています。例えば電気シェーバーでおなじみのPhilips(オランダ)は、製品が故障した際にユーザー自身で修理できるように、3Dプリンタ用の修理部品データを公開しました。これにより、必要なパーツを自分で作成し、交換することが可能になっています。
また、Frameworkという企業(アメリカ)は、自分で組み立てられるラップトップPCを開発し、すべてのパーツが交換可能という、持続可能な設計で話題を集めました。投資家からも大きな注目を浴び、大口の資金調達に成功しています。
壊れたら買い替えるのではなく、必要な部分だけ直して長く使う、こうした価値観は、単なる機能性を超えて、企業とユーザーの新しい関係性をつくり出しています。
私はPhilipsの電動シェーバーを愛用しているのですが、上記の取り組みを知り、不思議な誇らしさ感じ、機能面に加えて、感情面でも企業に対する印象、すなわちCXが高まったことを感じました。
サステナビリティとカスタマーエクスペリエンス(CX)
私や友人が体験したように、まだ使えるのに仕方なく買い替える、という状況は、本来なら不要だった生産や廃棄を生み出し、それは、限りある地球資源を無駄に消費することに直結します。
そして何より、その製品やブランドに対してユーザーが抱いていた信頼や愛着も、そこで揺らいでしまう。本当は、ずっと使っていたかったのに。つまりこれは、環境の問題であると同時に、CX(カスタマーエクスペリエンス)の問題でもあります。
変わりつつある若者の消費行動
日本の若年層の間では、「買い物の際に環境や社会への影響を意識している」という意識が高まっているというレポートがあります。
今年は特に猛暑日が続いている印象ですが、気候変動の影響を直に感じる昨今、こうしたサスティナビリティへの意識はますます高まっていくのではないでしょうか。
今年は特に猛暑日が続いている印象ですが、気候変動の影響を直に感じる昨今、こうしたサスティナビリティへの意識はますます高まっていくのではないでしょうか。
プロダクトジャーニーマップで、持続可能なCXを考える
mctでは、サステナビリティの観点から顧客体験を見直すためのアプローチとして、プロダクトジャーニーマップを用いたワークショップを提供しています。
プロダクトジャーニーマップとは、製品のジャーニー、つまり企画から開発、購入、使用、修理、廃棄に至るまでのプロセスを俯瞰し、どのタイミングで、人間・人間以外(ノンヒューマン)を含むどんなステークホルダーが関与し、サスティナビリティの観点でどのような課題があるのかを可視化する手法です。
購入後のジャーニーの課題の一つとして、今回ご紹介したような、ユーザーとの関係を「使い続ける体験」としてどこまで支えられるかということが挙げられます。プロダクトジャーニーマップでは、こうした問いに向き合いながら、よりよいCXと、より持続可能な製品体験を描いていくことができます。
もし現在展開している製品やサービスにおいて、サステナブルな体験設計に関心をお持ちであれば、ぜひ私たちのプロダクトジャーニーマップワークショップにご参加ください。
プロダクトジャーニーマップとは、製品のジャーニー、つまり企画から開発、購入、使用、修理、廃棄に至るまでのプロセスを俯瞰し、どのタイミングで、人間・人間以外(ノンヒューマン)を含むどんなステークホルダーが関与し、サスティナビリティの観点でどのような課題があるのかを可視化する手法です。
購入後のジャーニーの課題の一つとして、今回ご紹介したような、ユーザーとの関係を「使い続ける体験」としてどこまで支えられるかということが挙げられます。プロダクトジャーニーマップでは、こうした問いに向き合いながら、よりよいCXと、より持続可能な製品体験を描いていくことができます。
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Yohei Ushijima
株式会社mct エクスペリエンスデザイナー
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