2020.05.07
Blog|リモートワークの時代。チームカルチャーはどうなる?vol.2
Vol.1では、リモートワークがもたらした課題、課題解決の鍵である「チームカルチャー」とは何か、それを強固にしていくためのヒントについて紹介しました。今回は、リモートワークで「離れていながらにして、どのようにしてチームカルチャーを築くことができるか?」ということに焦点を当てて考えていきます。
Vol.1「チームカルチャーとは何か?」はこちら
離れていながらにして、チームカルチャーを築くには?
"強いカルチャーを創造するために、物理的に全員が一緒にいる必要はありません。
最高のカルチャーは、人々の実際の行いから生み出されます“
—ジェイソン・フリード(「ベースキャンプ」共同創設者兼CEO)
リモートワークは、チームカルチャーの中にある既存の問題を増幅させてしまうことがあります。メンバーと常に連絡を取り合ったり、サポートを受けられなかったりする環境下では、より顕著に問題が発生する可能性も否めません。しかしそれと同時に、リモートワークはこれらの問題を解決し、チームがより良い仕事ができるようになるための素晴らしい機会にもなり得るのです。
リモートワーク中でも、チームの一体感を感じ、安全で信頼できると感じられることは、各メンバーが積極的にリスクをとって活動をするために必要不可欠な要素です。多少リスクを感じるような挑戦がなければ、仕事のパフォーマンスをより高いレベルに引き上げ、よりエネルギッシュに活動し、結果的に満足度の高いライフワークバランスを実現するということも難しくなるでしょう。
は、リモート環境でもチームカルチャーを維持し、非リモート環境と同等あるいはそれ以上に強固なものにするためには、どのような動機付けが必要でしょうか?
リモートでチームカルチャーを醸成するためのポイント
✔︎ 有意義な仕事を定義し、優先する
リモートワーク時は、常に仕事をしているということを同僚に示すため、すぐにチャット等の要求に応えなければと感じがちです。しかし、中断されるべきではない有意義な仕事を定義してそのための時間を確保したり、他のメンバーに予め伝えたりしておくことで、チームとしての生産性を高めることを意識しましょう。
✔︎ 仕事の方針を明確にする
"フレキシブルな働き方 "や "リモートワーク"は、人によって異なる解釈をされることがあります。メンバーは毎日一定時間、オンラインにしておくことが必要? 定期的に本社に出向く必要は? メンバーに空気を読ませるのではなく、会社あるいはチームとしての方針を明示することが必須です。
✔︎ クリエイティブなやりとりでつながる
SlackやTeamsなどのプラットフォームを介して、「読書会」のように、仕事に関連するトピックを共有するための場をつくります。仕事とは関係がなくても、写真や考えの交換、オンラインでのハッピーアワー(お茶会や飲み会)やお料理教室など、お互いのクリエイティビティが刺激されるような仕掛けがつながりを生みます。
✔︎ 適切なハードウェアとツールでサポートする
自宅で働くことは、オフィスと同じようにというわけにはいきません。働くために整っていないスペースを無理やり作業エリアとして使うことも多々あります。あなたのチームが快適な作業環境を得るために、必要なハードウェアやツールという面からもサポートを提供しましょう。
✔︎ 相手の置かれた状況を理解し、信頼を築く
誰も見ていないのに仕事をしなければならないため、リモートワークではなおさらお互いの信頼が重要です。マネージャーと従業員とはお互いに、仕事の問題、また時にはパーソナルな問題に誠実に向き合う必要があります。自分のことだけではなく他者の目線に立ち、お互いの人間的なニーズを考慮して行動することが大切です。
「心理的安全性」が信頼を築くための一歩となる
リモートワークでは、「時間」や「人との交流」がより散発的で、貴重なものになります。メール等のコミュニケーションでは、対面と同じ量のやりとりを行うことはできません。そのため、自分の意見を述べたり、質問したりするには今まで以上の「努力」が必要とされます。実際にオンライン会議では、「これはテーマと関連性が高いコメントか?」「意味のある質問か?」ということを瞬間的に判断し、発言を躊躇してしまう場面も多くあるのではないでしょうか。
こうした考え方の変化に、トップの皆さんはより敏感になってください。リーダーは日頃から、メンバーがお互いにオープンで、自然なやりとりができるよう配慮すべきですが、リモートの場合はさらに、一見誰からも気づかれにくい「孤立」により多くの注意を払う必要があります。例えばミーティングの始めに、メンバーに積極的に意見を求め、「どんなコメントや質問でも、チームにとって貴重でポジティブなインプットになります」と伝えることが、すべてのチームメンバーの参加を奨励することにつながります。
コミュニケーションとコラボレーションを向上させるためには、対面の場合と同様に、それぞれのチームメンバーが自分の仕事や人生についての意見をオープンに、自信を持って共有できるスペースやプラットフォームが用意されている必要があります。
ハーバードビジネススクールのエイミー・エドモンドソン教授は、こうした、率直に意見したり質問したりしてもこのチームでは安全であるという、チームメンバーによって共有された考えのことを「Psychological Safety(心理的安全性)」として定義づけています。(この概念に興味がある方は、「心理的安全性」というキーワードで検索してみてください)
先述した「リモートでチームカルチャーを醸成するためのポイント」は、組織での立場や働く場所に関係なく、チームメンバーが自分の意見が取り入れられている、と感じるための鍵となります。そしてそれは、ベースとして「心理的安全性」が担保された場だからこそ、実現可能であることを忘れないでください。
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記事原文:Victor Corral 日本語編集:池田 映子
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