2025.08.06
Series|合成ユーザーを使ってビジネスの種を見つける5日間―DAY4:AI 調査の結果をチームで議論したら、意外なアイデアが生まれた

新連載「合成ユーザーを使って、ビジネスの種を見つける5日間」 4日目
山田さんは、今週得たAI分析とリアルな現地情報をチームと共有し、
いよいよ「朝食ビジネス」のアイデア出しに挑みます。ところが…。
情報共有からスタート
「今週集めた情報、チーム全体で共有してアイデアを出してみませんか?」
木曜の朝、山田さんは企画チームの5人を会議室に集めた。月曜日のリサーチ設計から水曜日のリアルユーザー検証まで、3日間で収集した情報を整理して共有する時間だ。
AIから得た文化的背景と、実際のスタッフから聞いた現地の商業実態を説明すると、メンバーたちの目が輝いた。
「こんなに具体的な違いが分かるんですね」「特に朝食専門店の存在は全く知りませんでした」
アジア横断戦略で意見が分裂
情報共有後、チームは「アジア市場における働き盛り世代の朝食ビジネス機会」について本格的なブレストに入った。
「3カ国共通で展開できる統一コンセプトを作れば効率的では?」と提案したメンバーがいる一方で、「文化や市場環境が違いすぎるから、国別カスタマイズが必要でしょう」という反対意見も出た。
議論は白熱し、30分経っても決着がつかない。どちらの論理も筋が通っており、チーム内の意見は真っ二つに分かれたままだった。
「3カ国共通で展開できる統一コンセプトを作れば効率的では?」と提案したメンバーがいる一方で、「文化や市場環境が違いすぎるから、国別カスタマイズが必要でしょう」という反対意見も出た。
議論は白熱し、30分経っても決着がつかない。どちらの論理も筋が通っており、チーム内の意見は真っ二つに分かれたままだった。
AIへのクイックな検証
そこで山田さんがひらめいた。「そうだ、各国のAI合成ユーザーに直接聞いてみませんか?」
早速、統一コンセプト案として「アジア全域で展開する温かい朝食ビジネス」について、3カ国のペルソナに評価を求めた。
早速、統一コンセプト案として「アジア全域で展開する温かい朝食ビジネス」について、3カ国のペルソナに評価を求めた。
忖度のない評価の威力
AIからの回答は率直で、それぞれの国の特性を踏まえた貴重な指摘だった。
日本の合成ユーザー:「統一感があるのは良いですが、安心感を重視する私たちには少し画一的に感じるかもしれません。地域の特色を活かした温かみがほしいです」
日本の合成ユーザー:「統一感があるのは良いですが、安心感を重視する私たちには少し画一的に感じるかもしれません。地域の特色を活かした温かみがほしいです」
中国の合成ユーザー:「効率性は評価しますが、地域の商慣習への配慮が足りません。上海と地方都市では朝食文化が全く違うので、もう少しバリエーションが必要では」
ベトナムの合成ユーザー:「家族の時間は大切ですが、コミュニティとの関わりも同じくらい重要なんです。統一コンセプトだと、地域のフォー屋さんでの交流文化が軽視されそうで心配です」
アイデアのブラッシュアップ
チーム全員が「なるほど」と頷いた。AIは感情的な議論に左右されず、各国のユーザー視点で的確に課題を指摘してくれたのだ。
この評価を踏まえ、チームはアイデアをブラッシュアップした。
この評価を踏まえ、チームはアイデアをブラッシュアップした。
「アジア朝食ビジネス:共通の価値観(温かさ・エネルギー・つながり)を各国の文化に合わせて表現する展開戦略」という、より現実的でユーザーニーズに合致したコンセプトに発展させることができた。
高速検証サイクルの実感
わずか2時間のブレストで、アジア3カ国の文化と市場実態を踏まえた朝食ビジネスの展開の道筋が見えてきた。
「チーム内の議論では見えない視点を、AIが客観的に教えてくれる。明日は今日の成果をまとめて上司に報告しよう」
「チーム内の議論では見えない視点を、AIが客観的に教えてくれる。明日は今日の成果をまとめて上司に報告しよう」
TIPS - AIからの視点を入れてアイデアを素早くブラッシュアップする
チームでの議論が行き詰まったとき、主観的な意見だけで突破口を探すのは難しいことがあります。そんなときこそ、AIを“外部の視点”として活用することで、話し合いに新たな角度をもたらすことができます。
AIは、特定の立場や感情に影響されることなく、多様なユーザー像の視点からフィードバックを返してくれます。その意見をチームで検討することで、論点を整理したり、見落としていたニーズに気づいたりすることが可能になります。議論の中でAIを使った情報補完をすることで、より素早くアイディアをブラッシュアップすることができます。
DL資料では、初期アイデアを構想し、情報を補完しながらブラッシュアップに役立てられるシートを用意しております。ぜひお試しください。
AIは、特定の立場や感情に影響されることなく、多様なユーザー像の視点からフィードバックを返してくれます。その意見をチームで検討することで、論点を整理したり、見落としていたニーズに気づいたりすることが可能になります。議論の中でAIを使った情報補完をすることで、より素早くアイディアをブラッシュアップすることができます。
DL資料では、初期アイデアを構想し、情報を補完しながらブラッシュアップに役立てられるシートを用意しております。ぜひお試しください。
―DAY 1: AIに質問してみたら、予想以上にリアルな回答が返ってきた
―DAY 2: AIへの質問を工夫したら、文化の深層まで見えてきた
―DAY 3: AI の回答は本当に正しい?実際の人と比較検証してみた
―DAY 4: AI 調査の結果をチームで議論したら、意外なアイデアが生まれた
―DAY 5:
―DAY 2: AIへの質問を工夫したら、文化の深層まで見えてきた
―DAY 3: AI の回答は本当に正しい?実際の人と比較検証してみた
―DAY 4: AI 調査の結果をチームで議論したら、意外なアイデアが生まれた
―DAY 5:
-
-
Wenxin Huang
株式会社mct エクスペリエンスデザイナー
- 組織デザイン
- CX・顧客経験
- インサイト
- グローバル
- ビジネスデザイン
- サスティナビリティ
- イノベーション
- イベント告知
- デザイン思考
- 働き方
- 顧客中心
- ヘルスケア
- DMN
- コ・クリエーション
- チームワーク
- セミナー
- 働き方改革
- ZMET
- futuredesign
- 患者理解
- 製薬
- covid19
- エクスペリエンスデザイン
- エスノグラフィックリサーチ
- デザイン
- 患者中心
- PPI
- PSP
- SDM
- ペイシェント・セントリシティ
- リモートコラボレーション
- ワークショップ
- 事業開発
- ソリューション
- デザインリサーチ
- オンラインワークショップ
- ギャップファインディング
- 従業員体験
- signal
- カスタマージャーニー
- ブランディング
- 技術開発
- 101_design_methods
- エンゲージメントデザイン
- サービスデザイン
- メソッド
- シグナル
- トレーニング
- フューチャーデザイン
- 機会探索
- PlayfulNetwork
- マインドセット
- COM-B
- SDGs
- UIデザイン
- サーキュラーエコノミー
- フューチャー思考
- CSA Research
- UXデザイン
- mcTV
- プレイフル
- 事例
- 製品・サービス開発
- Forrester research
- フィールドワーク
- メタファー
- リフレーム
- CXマネジメント
- エフェクチュエーション
- カルチャーコード
- クルースキャン
- シグナル探索
- ビジネスデザインプログラム
- フレームワーク
- プロトタイピング
- CX4DX
- CultureMeetup
- PRO
- leadership
- mct labo
- デザインスプリント
- トレンドリサーチ
- ビジネスモデル
- 映像編集
- MOT
- NELIS
- Remo
- お知らせ
- インタラクションマップ
- デジタルエクスペリエンス
- デジタルツール
- バイアス
- ファシリテーション
- 学習
- Employeeexperience
- LGBT
- wasedaneo
- インタビュー
- インプロ
- セルフドキュメンタリー
- デザインシステム
- デザイントレンド
- デザインマネジメント
- プロダクトジャーニー
- ベンチマークリサーチ
- リーンスタートアップ
- ロードマップ
- 伴走型支援
- 創造性開発
- 動的安定性
- 反脆弱性
- 学習体験デザイン
- 市場調査
- 測定
- 用途開発
- 経営戦略
- 調査設計
- 資本提携