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2025.08.07

Series|合成ユーザーを使ってビジネスの種を見つける5日間―DAY5:AI を活用した5日間で、リサーチの常識が変わった



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新連載「合成ユーザーを使って、ビジネスの種を見つける5日間」 5日目
 
ついに、5日間のリサーチ実験も最終日。
「合成ユーザーと会話して、仮説を立ててみよう」そんなちょっと大胆なアイデアで始まったこの1週間。
でも今、山田さんの手元には、アジア3カ国における朝食ビジネス戦略のたたき台が出来上がっています。
しかも、文化的価値観までしっかり踏まえた“リアルな構想”として。
 
 

 

成果の整理と検証

金曜の朝、山田さんは1週間の成果をまとめるため、早めに出社した。
月曜に始まった「1週間での仮説構築」ミッションが、予想以上の成果を生んでいることを実感していた。
 
 

「AI+リアルユーザー」手法の効果検証

AI合成ユーザー活用の成果:

  • ・短期間で3カ国の文化的価値観を深く理解(日本=安心感、中国=効率性・達成感、ベトナム=家族の絆・心の平穏)
  • ・ラダリング手法により表面的ではない深層心理を獲得
  • ・チーム議論の客観的な評価者として機能
  • ・24時間いつでも追加検証が可能


リアルユーザー検証の価値:

  • ・現地の具体的な商業形態や購買行動の把握(朝食専門店、バイク社会での立地要件など)
  • ・AIでは捉えきれない最新の価格感覚や地域差を確認
  • ・写真やエピソードによる現地感の獲得
  • ・文化的な食事ルールの詳細理解

アジア朝食ビジネスの展開戦略完成

山田さんは最終的な提言をまとめた。単一の統一コンセプトではなく、「温かさ」という共通価値を各国の文化に合わせて表現する戦略だ。さらに、今週の調査で明らかになった他国の知見も活用することで、より魅力的なサービスを構築する。
 
日本市場:
「安心できる温かい朝食」をベースに、地域密着型の温かい雰囲気を重視しつつ、ベトナムの家族スープ文化のエッセンスで朝の家族時間を豊かに演出する方向性はどうか?
 
中国市場:
「効率的にエネルギーチャージできる温かい朝食」を軸に、地域差(上海のコンビニ文化vs地方の屋台文化)に対応しながら、日本のきめ細かい配慮でパーソナライズ体験を強化する方向性はどうか?
 
ベトナム市場:
「家族とコミュニティをつなぐ温かい朝食」を中心に、既存のフォー文化との共存を図りつつ、中国のデジタル効率化を取り入れてコミュニティ参加のハードルを下げる方向性はどうか?

各国の文化的価値観を尊重しながら、他国の優れた要素を補完的に活用する。
これにより従来の朝食ビジネスにはない独自性を実現できるかもしれない。山田さんは手ごたえを感じた。
 
 

上司への報告と次のステップ

午後、山田さんは上司に報告資料を提出した。
 
「1週間という限られた時間でしたが、アジア3カ国の朝食ビジネス機会について、従来なら数週間かかる仮説構築ができました。特に各国の文化的違いを踏まえた現実的な展開戦略まで到達できたのは予想以上の成果です」
 
上司は資料を見ながら頷いた。
「面白い仮説ができたね。AIとリアルユーザーの組み合わせで、ここまで具体的な戦略が組めるとは思わなかった。来月の予算会議でこの企画を提案してみよう。本格的な市場調査の予算も検討できそうだ」 
 
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次の本調査で検証すべきポイント

上司との議論で、次の本格調査で検証すべき重要なポイントも明確になった。
  • ・各国の具体的な朝食消費量とトレンド分析
  • ・地域別の競合状況と参入障壁の詳細調査
  • ・価格感覚と購買力の詳細な市場調査
  • ・実際の店舗展開における立地要件とオペレーション課題
  • ・各国の食品規制と許認可プロセスの確認

新たなリサーチ手法への確信

帰り道、山田さんは今週の経験を振り返っていた。AI合成ユーザーとリアルユーザーの組み合わせ、そしてチームでの高速検証サイクル。これらの手法を使えば、限られた時間と予算でも質の高い仮説構築ができることを実感した。

「来週からの他のプロジェクトでも、この手法を活用してみよう。そして今回確立した『AI+リアルユーザー』アプローチを、社内の他のチームにも共有していこう」
山田さんは、新しいリサーチ手法の可能性を確信しながら、充実感に満ちた1週間を締めくくった。
 
 

TIPS - AIとリアルユーザーへのリサーチ結果を俯瞰して、機会を見つける

 
限られた時間や予算の中でも、深いインサイトを得て有効な戦略仮説を立てるためには、従来のやり方だけでは不十分です。
AIとリアルユーザーを組み合わせたハイブリッドなリサーチ設計は、スピードと質を両立するアプローチとして有効です。

AIで文化的背景や価値観の傾向をつかみ、リアルユーザーで具体的な生活や市場の実態を確認する。この二重の視点を活かすことで、表面的なデータでは見えない本質的な問いや機会を導き出すことができます。
 再現性の高いプロセスとして確立すれば、他のチームやプロジェクトにも展開可能な“リサーチの新スタンダード”にもなり得ます。

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