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2024.03.13

ZMET 持続可能性とコミュニケーションの架け橋

持続可能性とコミュニケーションの架け橋 (1)

サステナビリティの世界では、事実や数字だけでは不十分で、生活者の心に響く効果的なコミュニケーションが必要です。このブログでは、サステナビリティに対する深層心理を理解し、複雑な取り組みをわかりやすいストーリーに変え、親しみやすいものとして表現するためのZMETというアプローチを紹介します。

ZMETとは何か?

ZMETは従来の一方通行的な市場調査を超えた画期的なアプローチです。回答者側に「意味を共同創造する力」を与え、回答者の個人的な解釈に焦点を当てることでより深い理解を促してくれます。この「共創の力」を取り入れることで、複雑な持続可能性の目標と一般的な理解とのギャップを埋めることができます。それでは具体的な事例を通じてZMETのアプローチを紹介していきます。
ZMET (Zaltman Metaphor Elicitation Technique)

ゼネラル・ミルズの事例

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ゼネラル・ミルズはアメリカの食品メーカーで、スナック類、シリアル、冷凍ピザ、冷凍・冷蔵パン生地、缶詰スープ、高級アイスクリームなどを製造しています。日本ではHäagen-Dazsやとんがりコーン(技術提携)などが有名です。同社は製造のために多くの穀物を使用しています。

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彼らは持続可能性の取り組みの一環として「再生農業」を掲げています。再生農業は、農薬や化学肥料を最小限に抑え、循環型の生態系を重視する持続可能な農業手法ですが、その手法を前進させるには農家や消費者の共感が不可欠です。ただ、ほとんどの人がこの手法やコミットメントに馴染みがないことが、同社にとっての課題でした。

ゼネラルミルズの解決策

再生農業の複雑さに対するアプローチとして、ゼネラルミルズ社はZMETを採用しました。ZMETのセッションから得た洞察は、植物がストローのような役割を果たし、空気中の炭素を吸い上げているイメージを持っていることでした。彼らはメタファーによってサステナビリティを単純化することの意義を発見したのです。ZMETから得られたこのような深い洞察は、表面的な議論を凌駕し、ニュアンスに富んだ視点を提供してくれました。

ゼネラルミルズ社は、ZMETから導き出されたインサイトを、ビデオ、PR資料、オンライン・プラットフォームなど、様々なコミュニケーション・チャンネルにうまく統合しました。比喩表現やイメージは強力なツールとなり、サステナビリティのストーリーをより魅力的で分かりやすいものにしていきました。

よきパートナーへと変身させるZMETの効果

ZMETの効果は「わかりやすさ」にとどまりません。ZMETはそのテーマと回答者側の個人的な行動や価値観と結びつけて解釈するため、そのテーマに対する深い共感から関与を促進する効果をもたらします。つまり、自社のサスティナビリティをともに前進させていくよきパートナーへと関与者を変身させるのです。

紹介事例

魅力的なアジェンダを用意しよう

サステナビリティがますます重要になる中、コミュニケーションを変革する力としてZMETを紹介しました。ZMETのように共創の原則を取り入れることで、複雑な持続可能性のテーマと一般的な理解とのギャップを埋める効果が期待できます。

あなたの事業のステークホルダーは、あなたが示している持続可能性の方針に共感していますか?ステークホルダーの深い理解を通じて、彼らが一緒に取り組みたくなる魅力的なアジェンダを用意しましょう。

イベントのご案内

2023年12月14日の開催されるSustainable Innovation Summit 2023において「共感の渦を巻き起こすブランディング」というテーマで講演を担当します。もしよければご参加ください。

■開催概要
日時: 2023年12月14日(木)13:00~16:00(12:00開場)
場所: WeWork アイスバーグ 1階
形式: ハイブリッド開催(対面80名、オンライン500名まで)

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