2023.04.21
Blog|チーム合宿のデザイン -vol.1 パワフルなコンセプトを設定する-
こんにちは、組織デザインチームの下岡です。
(mctの組織デザインサービスについての資料はこちらよりダウンロードできます)
組織デザインチームでは2月に9名のメンバーが京都へ集まり3日間のチーム合宿を行いました。今回のブログでは、チーム合宿の企画における「コンセプト」の重要性と、私たちがどのような思いでチーム合宿を計画し、何を行ったのか、そこからどのような気づきがあったのかについてご紹介させていただきます。皆さんの組織でのチーム合宿の企画の参考になれば幸いです。
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組織デザインチーム 2023年合宿 ーFEELー
mctでは昨年11月に組織変更があり、組織デザインチームに新しいメンバーが加わりました。そこで「チームビルディング」を主眼としながらも、「新しいメニューの開発」や「組織デザインにまつわる情報収集」といった目的のもと、合宿の企画がスタートしました。
パワフルなコンセプトを設定する
チーム合宿の企画において、重要なのがコンセプトの設定です。コンセプトはチーム合宿の目的を定義したものであり、チーム合宿での活動について考える際の指針となるものです。コンセプトのない合宿は、例えるなら舵のない船のようなものです。チーム合宿を意味のある活動にするためには、まず初めに指針となるコンセプトを設定することが必要であり、そのコンセプトがよりパワフルであるほど合宿に対するメンバーのモチベーションを高めることにつながるのです。
私たちの今回の合宿においても、より良いコンセプトを定めるため、メンバー全員でどのような合宿にしたいかという議論を何度も重ねました。最終的に決まったコンセプトは「FEEL」。フルリモートで働く私たちは、「リアルで集まるということ」「普段働く場所とは違う場所」を“感じたい”という共通の思いがありました。「感じる」より「考える」が先行することの多い毎日で、創造的なものを生み出す瞬間が少なくなっているのではないか。この合宿では街に出て、ヒトと会って話し、モノに触れ、五感でさまざまな刺激や情報を感じ取ることで、日頃とは違う思考を引き出してチームとしてのCreative mindを高めていきたい。このような思いを込めてコンセプトを作りました。
与えられた目的を自分ごと化し、一人一人が考えるプロセスを経てコンセプトを作成できたことが、この後の合宿へのコミットにとって重要だったと感じています。
ブルース・リーの象徴的な言葉である「Don’t Think,Feel.」
上田信行名誉教授によるプレイフルなワークショップ
初日は、同志社女子大学の上田信行名誉教授とゼミ生による「プレイフルネットワーク」のトレーニングに参加しました。半日のトレーニングでは、チームビルディングのための「プレイフル」なワークが用意されていました。
ワークショップのキーワード(※)は以下の3つです。
●Low floor:まず入りやすく!誰でもできる簡単なワークから入る
●High ceiling:簡単だけど奥深い
●Wide wall:体験と思考を行き来して意味を感じる
※ミッチェル・レズニック著「Lifelong Kindergarten」からの引用
これらを元に「簡単なワーク」から「より複雑なワーク」へ、「アクティビティ」から「リフレクション」へと移行する設計となっていました。
day1ワークショップの風景
業務ではワークショップの企画/実施をすることが多い私たちですが、「どのような仕掛けがあれば、ワークショップに積極的に参加したくなるか」を参加者として感じる良い機会にもなりました。チームビルディングで重要なことを頭で理解しただけではなく、プロセスを通じて体感できた貴重な経験だったと感じています。
またプロセスを重視するアプローチはそのまま「FEEL」というコンセプトの新たな発見に繋がりました。それは新しいものや意味を生み出すとき、アウトプットだけでなく、人と人の「ぶつかり合いのポジティブな感覚」を感じることが重要だということです。
ワークショップ終了後は、ゼミ生による学習発表会を聞いた後、全員で打ち上げをして、初日を終えました。
京都でのFEEL体験
2日目は、小グループに分かれて「FEEL」というテーマのもと、京都の街で様々な体験をしました。この日のテーマは「京都の街や人を五感で感じること」。身体いっぱいから刺激を受けることで、あまり使ってこなかった感覚を開かせ、これまでと違う見方を養いたいと考えたのです。
1つのグループでは、老舗の香木店で匂ひ袋作りをしました。匂ひ袋は奈良時代からあるもので、悠久の流れを感じながら、無心になって香りを調合しました。材料の少しの追加で全体の香りが変わってしまう瞬間があり、例えば季節の移ろいを香りが知らせてくれているのに、それに気づいていないこともあるのだろうなと思わされました。またメンバー同士で作った匂い袋を香り合うと、「意外とスパイシーな香りが好き」「強めの香りが好き」と好みの香りがわかり、メンバーの深いところを知ることのできた気持ちになりました。
はじめての調香体験
別のグループでは、京都信用金庫が運営する「Question」という施設を訪問し、インタビューをしました。この施設のコンセプトは「地域の様々なプレイヤーが集まり、地域の問題を解決する」というもので、地元の金融機関が中心となってなり、求心力のある活動が実現できているようです。施設には大型のキッチンスペースがあり、この場所を視察したことで「料理をテーマにしたワークショップをすると面白いのではないか」と新たな着想も生まれました。
「Question」施設内のキッチンスペース
また移動中には1つのテーマについて電車内や満員バスの中など様々な条件下でのアイデア出しを行いました。考える場所や目にする物に触発されて出てくるアイデアの幅が広がり、私たちの思考は周囲の影響を受けているという当たり前の事実に外へ出たことで気付かされました。アイデアを発想する際に環境を変えることは、リモートワークショップでも応用できるという気づきに繋がりました。
ひとつの香りへの没入感が高まる「かおりBOX」
ほかにも、地域の人々へのインタビュー、地元のお寺での梅見、五感を使った斬新な店舗の視察、などグループごとに京都ならではの体験をしました。
合宿を振り返り、言語化する
合宿最終日は、組織デザインチーム恒例の「モーニングライブ」の配信、そして古民家を改装した場所でミーティングを行いました。
FEELというコンセプトで様々な体験をしてきた合宿でしたが、その体験をどのように活かすかについて「経験学習」に関する書籍『最強の経験学習』を1つの参考にしました。経験学習は大きく4つのプロセス「具体的に経験する(Feel)」「振り返って観察する(Watch)」「抽象的に概念化する(Think)」「積極的に実験する(Do)」に分かれており、この3日間を写真で振り返ると共に「LIKE&WISH」を書き出しました。
振り返りのmiroボード
また同じ書籍で紹介されていた内容を元に各メンバーの学習タイプを分析しました。物事に対する感じ方・考え方から分類された9つの学習タイプのうち、どれが一番自分に近いのか、遠いのかを把握できるというものです。自分で分析するだけではなく、他のメンバーから見た自分のタイプを教えてもらうことで、他人から見た自分の側面を理解することにも繋がりました。またお互いの学習タイプを理解することで、苦手なタイプを補完しあい、得意なタイプを組み合わせることでより良いチームを目指していこうと結束力が高まりました。
これからに向けて
合宿から数週間が経ちましたが、組織デザインチームではリフレクションを行い、そこから何を仕事に活かせるのか言語化を進めています。同じ経験をしていても、感じたことはそれぞれに違い、メンバーの意見に触発されてまた自分の考えが深まるという循環がチームで起きていると感じます。「共通の経験をして、そこからメンバー全員で意味を見出す」チームが成長するためのマインドセットを養う上で合宿は最適な場なのかもしれません。
4月から新年度が始まりました。ぜひ、皆さまも新しいチームで合宿をしてみてはいかがでしょうか?mctでは合宿の企画を含めて組織づくりのためのさまざまなソリューションを提供しています。ご興味のある方はぜひお気軽にお問い合わせください。
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Mana Shimooka
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