Insight Blog

2023.08.02

Blog|mctのグローバルデザイン×フューチャーデザイン: POEMSとは、参与観察によるエンゲージドマッピングとスケッチの手法です

グローバルとフューチャー-1-1

皆さんこんにちは。mctのウエンシンです。今回は、POEMSを使ってより良い観察をする方法についてお話しします。

私たちは毎日、オンライン、オフラインを問わず、膨大な情報にさらされています。特にデジタル時代にはそれが顕著で、多くのものがオフラインからオンラインへと移行しています。例えば、食料品店に行かなくても、携帯電話で食品を注文できるようになりました。映画館に行かなくても、自宅でネットフリックスの映画を見ることができます。しかし、だからといってオフラインでの体験が重要でなくなったわけではありません。実際、レストラン、小売業、接客業、スポーツ会場など、一部の業界ではオフラインでの体験は今でも不可欠です。人々はまだ実際の場所に行って体験する必要があり、ユーザーは良い体験を構成する基準を引き上げています。さらに、オフラインでの体験は、「何を見たか」「何を聞いたか」「どのように扱われたか」など、ユーザーのリアルな感覚を積極的に誘発するため、ブランドイメージ全体の一部となります。良い体験があれば、ユーザーはブランドに対してより良いイメージを持つようになり、ブランドは既存のユーザーを維持したり、新しいユーザーを獲得したりしやすくなるのです。

では、どうすればより良い体験をデザインできるのでしょうか?一つには、システマティックな実体験と観察を行う必要があります。今回は、"POEMS "と呼ばれる強力なツールキットをご紹介しましょう。"POEMS "とは、「People(人)、Objects(物)、Environment(環境)、Messages(メッセージ)、Services(サービス)」の頭文字をとったもの。これは、エクスペリエンス・デザイナーが深く全体的な観察を行う際のシンプルで便利なフレームワークです。

ところで、「ポップアップストア」は、小売業者が顧客とつながり、リーチを拡大し、市場をテストするために人気のある手法です。 アメリカのハンバーガー・ブランドIn-N-Outは、アジア諸国でいつも長蛇の列ができており、巡回ポップアップ・ストアでかなり成功しています。今回、私はその長蛇の列に加わり、ポップアップ文化を体験し、POEMSを使ってその体験を記録しました。

外国人や若い日本人が多く住む恵比寿エリアにあるこのポップアップ・ストアは、ある日の11時から15時のみ食事を提供するという情報を知り、現地に向かいました。現地に着くと、一刻も早く食べ物を手に入れようと、すでに早めに店に到着した人もいました。

以下はその一部始終を記したPOEMSのメモです。2部構成になっていて、最初のPOEMSは主に待ち時間の体験について、2番目のPOEMSは食事の体験についてです。

Observation 1 (待ち時間の体験)
POEMS1

Observation 2 (食事の時の体験)POEMS2

このように、POEMSは、複数の要素をさまざまな角度から検討するよう導いてくれるので、全体的な観察を行うには非常にシンプルで便利なツールです。主観的な意見が出やすいという欠点もあるものの、プロのデザイナーの指導を受けたり、他のツールと組み合わせたりすることで、これらの欠点を軽減することができるでしょう。

記事原文: ウエンシン フウアン   日本語編集:増田 伸生

【関連記事】

  • Blog|第4回 mctのチームとサービスを新入社員の視点でお届け。~組織デザインユニット・サスティナブル経営ユニット編~サムネイル画像
  • Series Blog|第4回 サーキュラーデザインによって再設計されたプロトタイプサムネイル画像
  • Blog|第3回 mctのチームとサービスを新入社員の視点でお届け。~グローバル成長・フューチャーズ・デザインユニット編~サムネイル画像