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2023.10.12

Blog|CX(顧客体験)関連図書おすすめ3選

CX(顧客体験)関連図書おすすめ3選

CX(顧客体験)に関わるお仕事をしていると、
「CX向上のためのプロジェクトに入ったけれども、CXって分かっているようで分からないからもっと理解を深めたい。」

「今後CXの向上が企業が成長するうえで大事だと思っているけれども、CXの元となる考え方や実際に成功を収めた企業の内情や実例を知りたい。」
そういったお声をいただくこともあります。

そこで今回は、CX関連の入門編としておすすめ図書を3冊ご紹介します。




①鈴木敏文のCX(顧客体験)入門

  Book1
 『鈴木敏文のCX(顧客体験)入門 
 鈴木 敏文 (著), 勝見 明 (取材・構成)

コンビニおにぎり、セブン銀行、100円コーヒーといった数々のヒットを生み出したセブン‐イレブン・ジャパン創設者である鈴木敏文氏のCX理論が綴られた書籍です。
本書の中で繰り返し語られているのは「お客様の心理を読んで、行動を予測し、どんな体験を望むかを予測し、それをもとに仮説を立てて検証する」ことの積み重ねがセブン‐イレブン・ジャパンの成長を支えてきたということです。

冒頭では「釣り船発着場近くの海辺のコンビニ」を例に取り上げ、「早朝に釣り客が昼食を買いに立ち寄ると予想して、気温が上がる昼間で時間が立っても傷みにくいイメージのある食べ物を求めるのではないかと仮説を立て、梅おにぎりを売る。それが釣り客から『あの店は釣り客のことがよくわかっている』と評価され繰り返し利用される店になる」と語られています。

本書ではセブン‐イレブン・ジャパンの取り組みが数多く紹介されており、コンビニという身近な事例を通してCX理論の考え方・有効性を理解することができます

 

②ザ・ブランド・マーケティング「なぜみんなあのブランドが好きなのか」をロジカルする

 Book2
 『ザ・ブランド・マーケティング 「なぜみんなあのブランドが好きなのか」をロジカルする』
 スコット・ベドベリ (著), スティーヴン・フェニケル (著), 関野 吉記 (監修),土屋 京子 (翻訳)

CX(顧客体験)を考えていくうえで、ブランディングの考え方を学ぶことが大切です。
著書の中でも述べていますが、ブランディングとは対外的な広告やどう見せるかということではなく、企業理念、ビジョン、事業の意義、会社の使命、付加価値といった要素が相まって出来上がるものです。良いCXを提供したいと思ったとき、クレームや不満に対して改善するだけでなく、自社のビジョンや存在価値に立ち返り、顧客にどういった体験を提供していくべきか考えていかなければならないので、ブランディングの考え方は必要不可欠になってきます。

この本の著者は、
スターバックスとナイキのマーケティング、広告担当を勤めた超一流マーケッターです。
ナイキがアスリートや若い男性のみのものだったところから、どうやって老若男女に愛されるブランドに成長したのか、スターバックスがなぜ他のファストフード店のようなディスカウントや映画のタイアップキャンペーンなどに手を出さず、現在のブランドを確立し、良いCXを提供し続けられているのかなど、その内情が事細かに書かれています。また、他ブランドの分析も多く掲載しているので、多角的な視点からマーケティングを学ぶことができます。


本書は、アメリカで2002年に出版された『A New Brand World』の日本語版リニューアルであり、各章の終わりには、日本のブランディング専門家による、日本に置き替えた時の注意点や日本の現状に即した解説が載っています。

 

③世界一やさしい右脳型問題解決の授業

 Book3
 『世界一やさしい右脳型問題解決の授業』
 渡辺 健介(著)

CXを向上させるには、顧客が抱いている不満を解決するのも大切ですが、それだけでは「WOW!」と、あっと驚くような良い体験にはなりません。


まずは、この商品やサービスはそもそも何のためなのかと本質を問いかけ、問いを立て直し、現地で観察し、クリエイティビティを発揮して新たな解決策を打ち出す思考方法が必要です。これがデザイン思考の考え方なのですが、本書では右脳型問題解決の授業と銘打ち、世界一やさしいというタイトルの通り、小学生でも理解できるように書かれています。本書を通じてテーマとして取り上げている”運動会”をリデザインすることで、CXプロジェクトの根本的な考え方を体感できると思います。


いかがだったでしょうか?
入門編として、CXの考え方への理解が深まる図書をご紹介させていただきました。
皆様の参考にしていただけましたら幸いです。

CX(顧客体験)スタートアップガイド

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