こんにちは。mctデザインインサイトユニットの小幡です。
突然ですが、以下のシーンを読んでみてください。
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今日は金曜日、時間は17時25分。
会社員のAさんは、あと5分で今週の仕事も終わります。
休日出勤の予定だった土日ですが、つい1時間ほど前に急遽予定が変更になり、土日ともに休みとなったところです。
定時で退社し、会社から40分の自宅まで「土日、なにして過ごすかな?」と考えながら帰っていたAさんに、大学時代からの友人であるBさんからLINEが入ります。
「ごぶさたー。Aも知ってるうちの会社のメンバー6人でキャンプ予定だったんだけど、ひとりドタキャンが出ちゃって。明日ちょっと遅めの14時集合、日曜日の夕方に帰る予定なんだけど、行ける?」
Aさんは「またいつも通りの急なお誘いだなあ」と思いつつも「Bの会社の同僚は結構知ってるし楽しそう。暇を持て余しそうだったからちょうどいいや!」と、二つ返事で「いくいく!いくよ!」と返信します。
Bさんとの何度かのやり取りを経て決まったAさんの担当持ち物は、以下の3つ。
・炭を3kg
・着火剤を1パック
・花火を適量
AさんとBさんは何度か一緒にキャンプに行ったことがあるため、だいたいどれをどこで買っていけばいいか、把握しています。「炭」「着火剤」「花火」は、翌朝の集合場所の途中のあの店で買うことは決めたようです。
家に帰ったAさんは、晩ご飯を食べたあと、BBQの準備を始めます。
準備の結果、手持ちで間に合わなさそうな持ち物は、以下の1つ。
・早朝や夕方の冷え込みに備えた「(イケてる、手ごろな)上着」
Aさんはファッションに無頓着ということではありませんが、熱狂的にお金をつぎ込むわけでもありません。自分の気にいるモノがみつからない場合、買わないで帰ることもしばしばです。
さて、いまは金曜日の19:30。
Aさんが「(イケてる、手ごろな)上着」を明日からのキャンプで着ることができるために、どのような選択肢が考えられるでしょうか?
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さて、みなさんは、どんな選択肢を想像されたでしょう?
Amazonプライムで「明日お届け」「★★★★☆以上」で絞り込んだ候補から、
可能な範囲でお気に入りの上着を購入する。
(3000円までの予算で)
街まで出て、24時間営業のジーンズメイトで、
可能な範囲でお気に入りの上着を購入する。
(一応ドンキホーテも覗いた)
お互いの服を貸し借りすることもある妹のところまで、
何回か借りたことのあるお気に入りの上着を借りにいく。
(レンタル代は後日、人気店のスイーツで手を打って)
他にも、いろいろなことが考えられますね。
ところで、Aさんは「男性」だと想定して発想していましたか?
それとも「女性」だと想定して発想していましたか?
シーンを読んで、なんとなく「男性が上着を購入する」シーンを想定して発想されていた方も、少なくないかもしれません。
今回は
・無意識のうちに何かの枠を自らに課してしまい、ものの見方を自ら狭めてしまっていないか?
・普段、ものごとを何かに捉われて見ていないか?
といったことを、なんとなく考えてみていただくきっかけをご提供したつもりです。
皆さんが関与するプロジェクトにおいては、今回のブログのような単純な話ではないと思います。
それでも、「プロジェクトが発足した経緯」や「問題定義の仕方」を疑わないまま、それらに沿った「ものの見方」をしてしまうことによって、インサイトの発見やアイデアのひろがりを妨げていることがないと言えるでしょうか?
mctのインサイト調査では、問題をリフレームして正しく捉え、さまざまな現実理解の方法を組み合わせて、未来へのインパクトを持った優れた“インサイト”導出のお手伝いをします。
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