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2025.11.04

Series|【EX改善の裏側 #1】EX改善プロジェクトの始まり─本音を聞く場をつくるまで



EX1
 

EX改善を支援するmctが、「自分たちの理想のEX」を問い直すプロジェクトを開始。
対面の座談会を開催し、メンバーの本音を引き出す対話の場を設計していきました。
現状課題の深掘りから、ありたい姿を描く土台づくりに取り組みます。
 
 

 
こんにちは!
顧客体験(CX)と従業員体験(EX)を統合的にデザインする、日本発の組織デザインファームmctです。
組織構造や制度にとどまらず、「組織文化」「コラボレーション」「チームビルディング」「リーダーシップ」「共創」「人材育成」「ワークスタイル」など、人と組織が創造的に進化する仕組みをデザインしています。
 
 

EX​(従業員体験)とは?

 
まず、​私たちが​取り組む​「EX」に​ついて、​簡単に​ご説明します。​ EX​(Employee Experience/従業員体験)とは、​従業員が​組織で​働く​中で​経験する​あらゆる​接点や​体験の​ことを​指します。​日々の​業務、​人間関係、​職場環境、​評価、​成長機会など、​従業員が​「感じる​こと」​「経験する​こと」​すべてが​含まれます。​
近年、​優れた​EXが​組織の​パフォーマンスや​従業員の​定着率、​エンゲージメントに​直結する​ことが​明らかに​なり、​多くの​企業が​積極的に​取り組むようになっています。​
私たちは​日々、​クライアント企業の​EX改善を​支援していますが、​だから​こそ​「自分たちの​理想の​EXとは​何か?」を​問い直す必要が​あると​感じました。​
 
 

EX改善に​取り組もうと​思った​きっかけ

 
日々、​クライアント企業の​EX改善に​向き合っている​一方で、​ふと​立ち止まって​考えました。​
「自分たちの​理想の​EXって、​何だろう?」​ EXに​積極的に​取り組む組織と​して、​改めて​自社の​在り方を​探究したい。​そんな​メンバーの​想いが、​今回の​取り組みの​スタート地点でした。​
 
きっかけは、​いくつか​ありました。
​これまで​社内で​EX向上や​コミュニケーションに​関する​試作的な​取り組みを​いく​つか​運営してきたのですが、​メンバーに​フィードバックを​依頼した​ところ、​思いが​けず、​メンバーが​普段感じている​本音の​部分が​見えてきました。​
 
・しんどい​状況に​なる前に​防ぐ​仕組みを​考えたい​
・それぞれの​今抱えている​業務量が​見える​化できるような​仕組みが​あると​いい​
・同期タイプ、​非同期タイプが​いるので、​どう​いう​好みが​あるのか​知りたい​
・対面の​方が​ちょっとした​疑問を​すぐ​解決できる​
・普段は​あまり​話せない​人と​話せる​機会を​セッティングして​もらえると​ありが​たい
・一緒に​仕事を​する​人たちへの​理解度・親密度を​高める​機会は​必要
 
などなど。​これまであまりなかった​「本音を​伝え合う​機会」を​作る​ことで、​組織と​して​抱えている​問題を​しっかり​表に​出せるのではないか。​もう​少し​深掘りしてみる​価値が​あるかもしれないと​考えました。​
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まず、​やってみた​こと​「対話の​場づくり」

 
業務上の​議論や​雑談の​機会は​日常的に​あっても、​組織文化や​ワークスタイルに​ついてじっくり話す​場面は​自然には​生まれません。​
特に​フルリモート環境では、​こうした​深い​対話は​さらに​起こりにくくなります。​
だから​こそ、​意図的に​対話の​場を​作る​ことが​大事だと​考えました。​最初に​取り組んだのは、​メンバーを​5名ほどの​チームに​分け、​それぞれの​グループでいま感じている​課題や​困りごと、​会社の​ありたい​姿などを​話して​もらう​座談会の​開催でした。​
 
 
座談会の​体験設計で​工夫した​こと
 
座談会では、​単に​「話す場を​設ける」だけでなく、​本音を​引き出し、​深い​対話を​促すための​体験設計に​力を​入れました。​
 
1. 小グループで​リアルに​顔を​合わせる​
普段は​フルリモートの​私たちですが、​座談会は​対面での​開催に​こだわりました。​5名程度の​小グループに​する​ことで、​一人​ひとりが​発言しやすく、​かつ相手の​表情や​雰囲気から​繊細な​ニュアンスも​感じ取れる​環境づくりを​重視しました。​
課題や​自分の​気持ちを​話すと​いう​センシティブな​場では、​対面の​方が​安心して本音を​話しやすくなると​考えたからです。​
 
2. 世代や​属性を​分けて​本音が​出やすいように
グループ編成では、​経験年数、​役職などの​属性を​考慮。​似た​立場や​背景を​持つメンバー同士の​方が、​共感しやすく、​率直な​意見を​出しやすいと​考えた​ためです。​
 
3. ファシリテーター不在でも​話が​できる​チーム編成
もう​一つ、​グループ編成で​重視したのは、​誰かが​ファシリテーションしなくても、​自然と​話が​回りそうな​メンバー構成に​する​ことでした。​ 誰かが​進行役を​担ってしまうと、​その人は​場を​回すことに​意識が​向き、​本音を​話せなくなってしまいます。​全員が​対等な​立場で、​フラットに​意見を​出し合える。​そんな​状態を​作る​ために、​お互いの​関係性や​コミュニケーションスタイルを​考慮しながら、​慎重に​チーム編成を​行いました。​
 
4. Miroを​使った​横断的・​反復的・​統合的な​議論
意見の​可視化と​整理には​Miroを​活用しました。​各グループの​議論を​リアルタイムで​ボード上に​書き出していく​ことで​
議論を​何度も​振り返りながら​深められる​(反復的)、全体を​俯瞰して​共通テーマを​見出せる(統合的)と​いう​効果が​生まれました。​デジタルツールを​使う​ことで、​対面の​良さを​残しながら、​議論を​構造化し、​後から​振り返れる​記録と​しても​活用できるようにしました。​
 

 

4つの​テーマで​現状を​掘り下げる

座談会では、​以下の​4つの​テーマを​設定しました​。
 
1.案件の​活動に​ついて​
2.コミュニケーションに​ついて
3.​これまでの​経験の​シェア・教育に​ついて
4.​自分たちの​ありたい​姿
 
特に​前者3つの​テーマでは、​「どんな​課題が​あるのか」を​重点的に​話して​もらう​構成に​しました。​ありたい姿を​語る​前に、​まずは​現状の​困りごとを​洗い出すことが​大切だと​思ったからです。​
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こうして​準備を​整え、​いよいよ座談会を​開催する​ことになりました。​メンバーは​どんな​反応を​示すのか。​本当に​本音を​話して​もらえるのか...​不安90%、期待10%で​​初めての​座談会に​臨みました。​
 
次回は、​実際に​座談会を​開催してみて​感じた​こと、​そこで​出てきたリアルな声、​そして​私たち自身が​得た​気づきに​ついてお伝えします!

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