2025.10.29
Blog|CX経営に取り組みませんか?

5つの力でCXの実践を組織能力に変える
顧客体験(CX)への投資が加速する一方で、取り組みの実態としては、従来の短期的なマーケティング施策を最新のデジタルツールに置き換えているだけ、ということが少なくありません。なぜ、CXで最も重要な目的であるはずの「顧客との長期的な関係構築」に目が向かないのでしょうか。それは、CXを「施策」としてだけ捉え、「組織能力」として捉えることができていないからです。
この問題を解決するためのアプローチを提示します。それは、CXを単なる顧客接点の改善ではなく、CXの実践を通じて組織がCXを進化させ続ける「組織能力」を獲得することです。
近視眼的なCXの取り組み
近視眼的なCXの取り組みには、共通するパターンがあります。
1.自社都合のCX
顧客の成果に焦点を当てず、自社の都合で施策を立案・実行している
2.CXビジョンの不在
自社がどのようなCXを目指すのか、明確な方向が定まっていない
3.施策の断片化
部門の縦割りにより、部門が連携してCXが提供できない
4.顧客インサイトの不足
顧客インサイトから発想せず、流行の戦術・ツールに飛びつく
5.学習の欠如
失敗から学ぶ仕組みがなく、CXの改善レベルが上がらない
6.デジタル技術を盲信
デジタル技術がCX改善だと勘違いし、導入が目的になっている
これらの課題はつながっており、個別の対症療法では解決できません。解決には課題の全体像を捉える新たなフレームワークが必要です。
CXの実践を組織能力に変える
「CX経営」は、一過性の施策や表面的な改善ではなく、CX の実践を通じて、会社に対するお客様の長期的な信頼や愛着を築き上げ、会社の持続的成長を実現する経営アプローチです。CX経営では、以下の5つの力のフレームワークを使って課題の全体像を捉えながら組織を変革していきます。

【組織行動の力】
会社全体が1つの方向を向き、部門を超えて連携してCXを向上させる力。
・ CXビジョン: 全社員が共有する「目指すべき顧客体験」の明確化と定着
・ CXガバナンス: CXが確実に実践されるように管理・統制するためのルールやしくみの確立
・ CXカルチャー: 迷った時に「お客様にとってどうか?」で判断する価値観の醸成
【デザインの力】
お客様を深く理解し、競合他社には真似できないCXをデザインする力。
・顧客インサイトの獲得: 定性的な調査手法によるお客様の潜在的な欲求やニーズの理解
・デザイン思考の実践:人間中心のアプローチによる革新的なCXの創出
・体験のブランド化: CX全体を通じた自社ならではの一貫した体験デザイン
【オペレーションの力】
CXを現場で確実に実行し、継続的に改善し続ける力。
・ 改善サイクルの確立: CXの「実行→測定→改善」を高速で回すしくみ
・ CX全体の最適化: 施策を連携させ、お客様の体験全体を捉えながらCX全体を最適化していくしくみ
・ お客様の声の活用: お客様の声を収集・分析し、具体的な改善につなげるしくみ
【デジタルの力】
デジタル技術を活用して、CXをスケール化し、1人ひとりに最適化された体験を提供する力。
・データ統合と活用: CDPなどによる360 度の顧客理解と意思決定支援
・個別最適化:1人ひとりの顧客に合わせた体験の自動提供
・人とAI の協働:人の創造性とAI の分析力を組み合わせた価値創造
【脱学習の力】
既存の枠組みや常識を見直し、変化に適応しながらCX経営を進化させ続ける力。
・ 既存前提の見直し: これまでの成功体験や業界常識を疑い、新しいアプローチを模索
・ 変化への敏感性: お客様の変化、技術の進歩、社会情勢の変化に素早く適応
・ 学習する組織: 失敗を恐れず挑戦し、失敗から確実に学んで次に活かす文化
5つの力を段階的に高めていくことで、お客様に愛され続ける会社へと変革することができます。
これらの5つの力については、具体的な実践方法や実際の企業事例を、 拙著『いちばんやさしいCX経営の教科書 顧客体験を見直し"選ばれる会社"になる』 で詳しく解説しています。
会社全体が1つの方向を向き、部門を超えて連携してCXを向上させる力。
・ CXビジョン: 全社員が共有する「目指すべき顧客体験」の明確化と定着
・ CXガバナンス: CXが確実に実践されるように管理・統制するためのルールやしくみの確立
・ CXカルチャー: 迷った時に「お客様にとってどうか?」で判断する価値観の醸成
【デザインの力】
お客様を深く理解し、競合他社には真似できないCXをデザインする力。
・顧客インサイトの獲得: 定性的な調査手法によるお客様の潜在的な欲求やニーズの理解
・デザイン思考の実践:人間中心のアプローチによる革新的なCXの創出
・体験のブランド化: CX全体を通じた自社ならではの一貫した体験デザイン
【オペレーションの力】
CXを現場で確実に実行し、継続的に改善し続ける力。
・ 改善サイクルの確立: CXの「実行→測定→改善」を高速で回すしくみ
・ CX全体の最適化: 施策を連携させ、お客様の体験全体を捉えながらCX全体を最適化していくしくみ
・ お客様の声の活用: お客様の声を収集・分析し、具体的な改善につなげるしくみ
【デジタルの力】
デジタル技術を活用して、CXをスケール化し、1人ひとりに最適化された体験を提供する力。
・データ統合と活用: CDPなどによる360 度の顧客理解と意思決定支援
・個別最適化:1人ひとりの顧客に合わせた体験の自動提供
・人とAI の協働:人の創造性とAI の分析力を組み合わせた価値創造
【脱学習の力】
既存の枠組みや常識を見直し、変化に適応しながらCX経営を進化させ続ける力。
・ 既存前提の見直し: これまでの成功体験や業界常識を疑い、新しいアプローチを模索
・ 変化への敏感性: お客様の変化、技術の進歩、社会情勢の変化に素早く適応
・ 学習する組織: 失敗を恐れず挑戦し、失敗から確実に学んで次に活かす文化
5つの力を段階的に高めていくことで、お客様に愛され続ける会社へと変革することができます。
これらの5つの力については、具体的な実践方法や実際の企業事例を、 拙著『いちばんやさしいCX経営の教科書 顧客体験を見直し"選ばれる会社"になる』 で詳しく解説しています。
CX経営に取り組むにあたって
1.CXを部門の責任ではなく、組織全体の能力として捉える
従来の考え方では、CXは「顧客接点を持つ部門」の責任とされてきました。しかし、CXを向上させ続けるには、すべての部門が、全体最適の視点で協働することが不可欠だという認識が不可欠です。
2.自社の現状のCX実践力を把握する
組織全体での変革を推進するには、まず自社のCXを実践する組織能力の現在地を把握し、次のステップへの道筋を明確にする必要があります。
3.小さく始め、変革を着実に前に進める
CX変革を一気に進めようとしても失敗します。組織の変化には時間がかかります。小さな成功を重ね、段階的にCX実践力を向上させていくことが重要です。
5つの力がCX実践の羅針盤となり、持続的な成長と顧客との深い関係構築の一助となることを心より願っています。
従来の考え方では、CXは「顧客接点を持つ部門」の責任とされてきました。しかし、CXを向上させ続けるには、すべての部門が、全体最適の視点で協働することが不可欠だという認識が不可欠です。
2.自社の現状のCX実践力を把握する
組織全体での変革を推進するには、まず自社のCXを実践する組織能力の現在地を把握し、次のステップへの道筋を明確にする必要があります。
3.小さく始め、変革を着実に前に進める
CX変革を一気に進めようとしても失敗します。組織の変化には時間がかかります。小さな成功を重ね、段階的にCX実践力を向上させていくことが重要です。
5つの力がCX実践の羅針盤となり、持続的な成長と顧客との深い関係構築の一助となることを心より願っています。
mctでは、最初のステップとして以下を支援しています。
- 5つの力で自社のCX経営の成熟度を診断する
- CX経営Yes/Noチャートでどこから取り組むべきか優先順位をつける
- 貴社の経営層と目指すべきCXの方向性について議論する
- 小さなパイロットプロジェクトを立ち上げる
- CX経営に取り組むためのチームを組成する
-
-
Hideaki Shirane
株式会社mct CEO / ストラテジスト
- CX・顧客経験
- 組織デザイン
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