2025.10.24
Event|HAPPY CX DAY 2025 イベントレポート

一年に一度のCXの祭典、「HAPPY CX DAY 2025」が先日、
大盛況のうちに幕を閉じました 。 会場には多くの企業のCX担当者が集まり、
熱気あふれる交流の場となりました 。
一年に一度のCXの祭典、「CX DAY」が先日、大盛況のうちに幕を閉じました。
予約は満席、共催のSCSK株式会社が提供する会場「SCSK LINK SQUARE @東京ミッドタウン八重洲」には多くの企業のCX担当者が集まり、熱気あふれる交流の場となりました。最先端の知見に触れるインスピレーション、参加者全員でCXの課題に挑むインタラクション、そして熱い想いを語り合うコネクションの3部構成。文字通り「CXにどっぷり浸る一日」でした。
2025年のテーマは、「ジャーニーマネジメントのススメ(カスタマージャーニーマップを使って会社のみんなで顧客体験の向上に取り組もう!)」でした。以下、当日の様子をたっぷりとお届けします!

予約は満席、共催のSCSK株式会社が提供する会場「SCSK LINK SQUARE @東京ミッドタウン八重洲」には多くの企業のCX担当者が集まり、熱気あふれる交流の場となりました。最先端の知見に触れるインスピレーション、参加者全員でCXの課題に挑むインタラクション、そして熱い想いを語り合うコネクションの3部構成。文字通り「CXにどっぷり浸る一日」でした。
2025年のテーマは、「ジャーニーマネジメントのススメ(カスタマージャーニーマップを使って会社のみんなで顧客体験の向上に取り組もう!)」でした。以下、当日の様子をたっぷりとお届けします!

CXインスピレーション:CXの現在と未来を「知的に楽しむ」時間
一つ目のプログラムは、知的好奇心とワクワクが交差する濃密なプレゼンテーション。4名の登壇者による講演は、CXの「なぜ?」と「どうすれば?」を深く掘り下げる、示唆に富んだものでした。
📢【mct 白根英昭】CX経営に欠かせない"5つの力"

まず幕を開けたのは、弊社代表の白根英昭による「CX経営に欠かせない"5つの力"」というお話。白根が著した書籍『いちばんやさしいCX経営の教科書』の出版を記念したオープニングセッションです。
講演の冒頭では、今から3750年前の古代バビロニアの粘土板に刻まれた、史上最古の「Bad CX」への苦情(粗悪な銅を送りつけられた怒り!)を紹介。顧客体験というコンセプトが数千年の歴史を持っていたの?!という、ちょっとした驚きを提供してくれました。
本題の「CX経営に必要な5つの力」では、CXを良くしていくための羅針盤となるCXビジョンが全ての出発点になるという点が特に印象的でした。それは単に会社が管理する「ガバナンス」だけでなく、社員一人ひとりが自発的に動く「カルチャー」として根付かせる必要があり、そして現代において、それを多くの顧客に届けるためには「デジタルの力」が不可欠だと言う。そのフレームワークは、参加者の皆さんの頭の中で、点と点がつながる感覚をもたらしたのではないでしょうか。
ポータルサイトでは、書籍の内容について詳しくご紹介しています。
📢【ミロ・ジャパン 安孫子貴幸氏】CXの要となる "カスタマーサクセス"

続いて、ミロ・ジャパンの安孫子貴幸氏からは、CXの最重要ポイントの一つである「カスタマーサクセス」について、実務的なお話がありました。安孫子氏は、CXを「カスタマーサクセス(プロアクティブな活動)+サポート(チケット対応)」という図式で捉え、お客様のビジネスゴールをサポートすることが、結果的に自社のビジネスゴール達成につながるという、カスタマーサクセスの本質を再確認させてくれました。
特に、ヒアリング前に、お客様のビジネスを想定したジャーニーマップを事前に作成しておくという、「準備に時間をかけ、深く本質的な対話を引き出す」アプローチは、非常に実用性が高く、すぐにでも真似したい知見でした。
そしてこのセッションの魅力は、ミロ社が実際にカスタマーサクセス活動で活用している、ヒアリングのための「テンプレート」や「フレームワーク」を具体的に見せてもらえたこと。理論だけでなく、「明日からMiroで何をすればいいか」が明確になる、極めて実用性の高い内容に、参加者の皆さんも熱心にメモを取られていました。
📢【オムロンヘルスケア 濱口貴広氏】こころが前を向くデザイン

オムロンヘルスケアの濱口貴広氏は、人間中心設計の専門家の視点から、企業の意識を「医療機器の製造販売」から「一人ひとりの生活を支える」ことへシフトさせるプロセスを語ってくださいました。
例えば、低周波治療器のユーザーは「慢性的な痛みと付き合っている人」、血圧計のユーザーは「リスクを感じないことがリスク」など、私たちが想像する一歩先の「ユーザーのリアル(実像)」。これらを丁寧に説明する言葉と写真で表現した社内ツール「こころが前を向くデザイン」を作成。
この冊子が生まれた背景には、CXの重要性は誰もが理解していても、タッチポイントが増え、関わる部門も増える中で、「皆が同じ方向を向くのが難しい」という課題があったようです。濱口氏は「実像を見せると、目標が定まり、意思決定が速くなる」と強調。実際に、この冊子をきっかけに、低周波治療器の店頭POPの訴求方法が変わったり、小児喘息のご家族の実態から新しい製品が生まれたりと、社内の意識と行動が変化していったそうです。
「CX、CXと特に話しているわけではない。こんな世界を実現したいということを見える形にしただけ」という言葉が印象的でした。組織の文化と強みを活かし、全社員が自分の立場と役割を自然に考えられるツールを作ることで、CXが揃っていく。そんな実践的なアプローチに、多くの気づきをいただきました。
📢【SCSK 石川秀矢氏】顧客体験向上に役立つ CX サービス

最後に登壇されたSCSKの石川秀矢氏は、顧客接点業務の高度化を支援する「CXMO」の取り組みと、具体的な事例を紹介。アパレルECや製造業B2B、製薬企業サイトといった多岐にわたる事例を通じて、カスタマージャーニーマップを「単なる現状の記録」ではなく「継続的な改善のための運用資産」として活用することの重要性を説かれました(実際のプロジェクトが分からないよう、少し情報がアレンジされています)。
具体的なプロジェクトの事例で改善スコアを見せていただき、CXの取り組みがしっかりと利益に結びついている様を改めて感じさせていただきました。
戦略を描くだけでなく、その実行と改善までをワンストップで担うSCSKのサービスは、まさに「施策を単発で終わらせない」ための強力なソリューションだと感じました。

CXインタラクション:謎解きに夢中になった「CX探偵団」
二つ目の参加型イベントは、その名も「CX探偵団:ジャーニー・ミステリー」。ここからは、怪しげで、楽しげな空気が会場を包みました。とある企業から突然舞い込んできた「顧客満足度急落の謎」の依頼。参加者は9つの探偵団に分かれ、この難事件に挑戦。
探偵団に配られたのは、
• 証拠品A:立派なカスタマージャーニーマップ
• 証拠品B:くすぶる顧客の悲鳴
• 証拠品C:社内の証言(「自分たちは計画通りに遂行している」という各部門長の主張)
立派なカスタマージャーニーマップがあるにも関わらず、なぜ顧客が離れていくのか?参加者の皆さんは、真剣に資料を読み込み、チーム内で活発な議論を展開。実際のCX担当者としての多様な視点がぶつかり合い、「真犯人」の特定に取り組みます。

容疑者として挙げられたのは、
• 「マップ作って満足」犯
• 「部門の最適化」犯
• 「とにかく改善」犯
さて、依頼元企業の顧客満足度を急落させた、真犯人は誰だったのでしょうか?そして、なぜ立派なジャーニーマップが機能しなかったのでしょうか?この「ジャーニー・ミステリー」の謎の答えを知りたい方は、ぜひmctスタッフまでお声がけください(笑)。
このゲームを通じて見えてきたのは、「地図(マップ)だけではなく、適切なナビゲーション(マネジメント)がなければ、目的地には辿り着けない」という、CX活動の本質的な課題でした。謎解きの後は、各チームで自社のCXレベルを診断し、明日から取り組むべき「依頼元企業の救済計画」を立案。業界は違えど、CXの課題は共通していることがわかり、深い知恵の交換が行われました。
CXコネクション:熱い想いが交差したひととき
そして一日の締めくくりは、美味しいお料理を囲んでの懇親会、「CXコネクション」でした。もう個人的な感想になっちゃいますが、この時間が本当に素敵でした。かつて仕事をご一緒していた方、現在進行形で共にプロジェクトを進めているたくさんの方々と、CXという共通のテーマのもと、一歩踏み込んだ深いお話ができたこと。これはイベントの主催者として、嬉しい瞬間でした。
会場を見渡すと、皆さん、目の前の美味しい食事にほとんど手をつけず、熱心に話し込んでいる姿ばかり。「うちの組織では、どうやったらCXが全社浸透するだろうか」「カスタマージャーニーマップを『運用資産』として生かすには、具体的にどうすればいいだろうか」
そんな風に、インスピレーションで得た知見を、インタラクションで考えた課題解決の視点と結びつけ、各々が自身の組織に持ち帰るための「生きた議論」が、あちこちで交わされていました。・・・こんな風に、参加者同士が交流し、これからのCXについて語り合っている姿を見ると、CXというテーマが単なるバズワードではなく、企業の存続と成長に直結する「担当者たちの切実な関心事」として深く根付き始めていることが実感できます。
熱い想いと活発な交流に満ちたこの「CXコネクション」こそが、参加者全員のCX推進への決意を、さらに強固なものにしてくれたんじゃないか、と思っています。
立派なカスタマージャーニーマップがあるにも関わらず、なぜ顧客が離れていくのか?参加者の皆さんは、真剣に資料を読み込み、チーム内で活発な議論を展開。実際のCX担当者としての多様な視点がぶつかり合い、「真犯人」の特定に取り組みます。

容疑者として挙げられたのは、
• 「マップ作って満足」犯
• 「部門の最適化」犯
• 「とにかく改善」犯
さて、依頼元企業の顧客満足度を急落させた、真犯人は誰だったのでしょうか?そして、なぜ立派なジャーニーマップが機能しなかったのでしょうか?この「ジャーニー・ミステリー」の謎の答えを知りたい方は、ぜひmctスタッフまでお声がけください(笑)。
このゲームを通じて見えてきたのは、「地図(マップ)だけではなく、適切なナビゲーション(マネジメント)がなければ、目的地には辿り着けない」という、CX活動の本質的な課題でした。謎解きの後は、各チームで自社のCXレベルを診断し、明日から取り組むべき「依頼元企業の救済計画」を立案。業界は違えど、CXの課題は共通していることがわかり、深い知恵の交換が行われました。
CXコネクション:熱い想いが交差したひととき
そして一日の締めくくりは、美味しいお料理を囲んでの懇親会、「CXコネクション」でした。もう個人的な感想になっちゃいますが、この時間が本当に素敵でした。かつて仕事をご一緒していた方、現在進行形で共にプロジェクトを進めているたくさんの方々と、CXという共通のテーマのもと、一歩踏み込んだ深いお話ができたこと。これはイベントの主催者として、嬉しい瞬間でした。
会場を見渡すと、皆さん、目の前の美味しい食事にほとんど手をつけず、熱心に話し込んでいる姿ばかり。「うちの組織では、どうやったらCXが全社浸透するだろうか」「カスタマージャーニーマップを『運用資産』として生かすには、具体的にどうすればいいだろうか」

そんな風に、インスピレーションで得た知見を、インタラクションで考えた課題解決の視点と結びつけ、各々が自身の組織に持ち帰るための「生きた議論」が、あちこちで交わされていました。・・・こんな風に、参加者同士が交流し、これからのCXについて語り合っている姿を見ると、CXというテーマが単なるバズワードではなく、企業の存続と成長に直結する「担当者たちの切実な関心事」として深く根付き始めていることが実感できます。
熱い想いと活発な交流に満ちたこの「CXコネクション」こそが、参加者全員のCX推進への決意を、さらに強固なものにしてくれたんじゃないか、と思っています。
むすび
CX DAYにご参加いただいた全ての皆様、本当にありがとうございました。皆様の熱いご参加、そして活発な議論のおかげで、このイベントは私たちmctにとっても、また新たなインスピレーションとエネルギーを得る素晴らしい一日となりました。
この日生まれた繋がりと気づきが、皆様の組織のCXを前進させるきっかけになることを願っています。
来年もぜひ、さらに進化を遂げたCX DAYで、皆様とお会いできることを楽しみにしています!

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Takeshi Sato
株式会社mct ストラテジスト
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