2024.10.01
刑事ドラマと“インサイト”
こんにちは、mctデザインインサイトユニットの程野(ほどの)です。
私はドラマを観るのが3度の飯よりも好きで、録画した10数本のドラマをマラソン上映会のように消化するのが土日のルーティンワークなのですが、中でも特に刑事ドラマが大好物です。
その刑事ドラマによくあるパターンとして(皆さんも一度はご覧になったことがあるかと思いますが)、どうやっても「真相にたどり着けない脇役刑事たち」と絶対に「真相にたどり着く主人公刑事」の対比で構成されるストーリー、というのがあります。では「真相にたどり着けない刑事」と「真相にたどり着ける刑事」とでは何が違うのでしょうか。
たとえば、以下のようなやりとりがあったとします。
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脇役A「殺しかぁ、こりゃひどいもんだなぁ」
脇役B「あ、ご苦労様です。部屋が荒らされてないところをみるとどうやら物盗りじゃなくて怨恨の可能性が高いですね」
脇役A「そうだな、しかも着衣にも乱れがないし、抵抗の後もないってことは顔見知りの犯行だろうなぁ」
脇役B「前に手掛けたヤマとよく似てますし、被害者とトラブルがあった者をあたればすぐに解決できそうですね」
脇役A「スピーディーな解決は捜査一課長へのアピールになるな。まさに一石二鳥だ、ふふ」
主人公「被害者の着衣ですが、確かに乱れがないんですが、全く乱れがないのが逆に気になりますねぇ」
脇役B「うわ、何だよ!また出やがったか。下らんこと気にしてないでさっさと聞き込みに行けよ!」
主人公「しかも、この部屋着、上下のコーディネートが不自然なんですよねぇ」
脇役A「部屋着なんだからコーディネートもくそもねぇだろ!」
主人公「でも、被害者の写真や服や装飾品などを見ていると、相当身なりには気を遣う人のようですし、部屋着だけ無頓着ということはないと思うんですけどねぇ」
脇役A「何が言いたいんだよ!」
主人公「おそらく、顔見知りの犯行に見せかけている、ということではないかと思うんですがねぇ」
脇役B「何だと!お前、俺たちをバカにしてんのか!」
主人公「あとこのテーブルのコーヒーカップ。いかにも客人といっしょに飲んでいたかのように置かれていますが、おそらくこの人は右利きなのに持ち手が逆なんですよ」
脇役A「な、何だって?」
主人公「しかもこれ、2つとも来客用のカップなんですよね。ほら、いつもこの方が飲んでいるカップは“これ”じゃないでしょうか。このあたり黒ずんでますしね。これはどうみても犯人の偽装工作ではないかと思うんですけどねぇ。どう思われますか?」
脇役A・B「・・・・・」
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とまあ、どこかで観たような聞いたようなやり取りですが、ここで彼らの会話を整理してみましょう。
脇役刑事A・Bは、
◎目の前の事実を表面的にとらえて、すぐに結論づけている
◎過去の経験を重視し、そのパターンにとらわれている
◎自分たちの思い描いたストーリー(思惑)にそって解釈をしている
◎組織の都合を優先している
主人公刑事は、
◎事実だけにとらわれず、かつ結論はすぐに出そうとしていない
◎過去の経験にとらわれることなく、いまそこで起きていることに目を向けている
◎犯人や被害者の気持ちや行動を理解し、そこから解釈しようとしている
◎組織の都合は考えていない
つまり、脇役刑事A・Bは「事件そのものを自分たち警察が想定している範囲内で解決しようとしている」が、主人公刑事は「事実だけではなく犯人や被害者にも焦点をあてて、本当にそこで起こったことを探求する中で事件を解決しようとしている」ということが言えると思います。こうして双方の行動や考えを比較してみると、なぜ脇役刑事たちが真相にたどり着けないのか、主人公刑事はなぜ真相にたどり着けるのかがわかる気がしますね。
そしてこれはまさに、一般的なインサイトとmctのインサイトの違いに似ています。
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(一般的なインサイト)
データ(現実の断片)を、そのまままとめた「情報」であったり、既知の視点から得られた「知識」の域にとどめている
⇒脇役刑事たち:部屋や衣服が荒らされていないのは顔見知りの犯行だから。過去にも同じような事件があった。
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(mctのインサイト)
メソッドを使ってこれまでとは違う視点で現実(データや「情報」、「知識」)をリフレームして理解する
⇒主人公刑事:部屋や衣服が荒らされていない事件現場(現実)から、犯人の思惑や被害者の生活(メソッド)などを通して
新たな解釈を導き出した。
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このように、私たちmctのインサイト調査では、さまざまな現実理解の方法を組み合わせて、未来へのインパクトを持った優れた“インサイト”を導出します。
さあ、今こそ私たちといっしょに、華麗に真相にたどり着く主人公刑事になるチャンスです。ぜひmctのインサイト調査をお試しください。
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Koji Hodono
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