2025.04.25
Series|サービスブランディング―(2) 顧客はなぜ競合ではなくあなたのサービスを選ぶのか?

サービスブランディング・ブログ第二稿
顧客インサイトを理解し、サービスの「意味」を定義する。
CXリサーチで顧客の深層心理を掘り下げ、選ばれる理由を創造する際のポイントとは?
顧客インサイトを理解し、サービスの「意味」を定義する。
CXリサーチで顧客の深層心理を掘り下げ、選ばれる理由を創造する際のポイントとは?
あなたのスマホには何個のアプリが入っていますか?おそらく100個以上ですよね。でも、毎日使うのはそのうちの数個だけ。なぜある特定のアプリは習慣的に使われ、他のアプリはすぐに忘れられてしまうのでしょうか?
実は顧客があなたのサービスを選ぶ理由は、あなたが思っているものとまったく違うかもしれません。今回は、競合ではなくあなたのサービスが選ばれる「本当の理由」について掘り下げていきます。
実は顧客があなたのサービスを選ぶ理由は、あなたが思っているものとまったく違うかもしれません。今回は、競合ではなくあなたのサービスが選ばれる「本当の理由」について掘り下げていきます。
「選ばれる理由」の本質は顧客インサイトにある
多くの企業は「私たちのサービスが選ばれる理由」を次のように説明します:
「UIが使いやすいから」
「価格が安いから」
「機能が充実しているから」
しかし、これらは表層的な理由にすぎません。真の差別化は、顧客の深層心理—つまり「インサイト」を理解することから始まります。
例えば、子育て世代向けの家計簿アプリを考えてみましょう。表層的には「使いやすさ」や「見やすい家計レポート」を提供するサービスです。しかし顧客インサイトを深掘りすると、「子どもの将来のために貯蓄をしたいが、日々の出費に追われて貯金できない罪悪感や不安」が隠れているかもしれません。
このインサイトを理解すれば、単に「使いやすい家計簿」ではなく、「子どもの未来を守るための、小さな一歩を実感できるツール」という独自の存在意義(ブランドの軸)を築くことができます。
「UIが使いやすいから」
「価格が安いから」
「機能が充実しているから」
しかし、これらは表層的な理由にすぎません。真の差別化は、顧客の深層心理—つまり「インサイト」を理解することから始まります。
例えば、子育て世代向けの家計簿アプリを考えてみましょう。表層的には「使いやすさ」や「見やすい家計レポート」を提供するサービスです。しかし顧客インサイトを深掘りすると、「子どもの将来のために貯蓄をしたいが、日々の出費に追われて貯金できない罪悪感や不安」が隠れているかもしれません。
このインサイトを理解すれば、単に「使いやすい家計簿」ではなく、「子どもの未来を守るための、小さな一歩を実感できるツール」という独自の存在意義(ブランドの軸)を築くことができます。

サービスの「意味」を定義する
顧客インサイトを理解すると、サービスが顧客にとって持つ「意味」を定義できるようになります。これは機能や特徴を超えて、顧客の生活や価値観の中でどのような役割を果たし、どのような感情を呼び起こすのかを表現するものです。
例えば、同じホテル予約サービスでも:
「効率的に最安値のホテルを見つけるツール」という意味を持つブランド
「自分だけの特別な旅の物語を創るパートナー」という意味を持つブランド
では、顧客体験や価格戦略、コミュニケーション方法が大きく異なってきます。
例えば、同じホテル予約サービスでも:
「効率的に最安値のホテルを見つけるツール」という意味を持つブランド
「自分だけの特別な旅の物語を創るパートナー」という意味を持つブランド
では、顧客体験や価格戦略、コミュニケーション方法が大きく異なってきます。

CXリサーチの重要性
顧客インサイトを発見するためには、通常のアンケート調査やインタビューでは不十分です。なぜなら、多くの場合、顧客自身も自分の深層心理を言語化できていないからです。
ここで威力を発揮するのがCXリサーチです。特に「ZMET法」や「心象イメージ法」といった画像を使ったロングインタビュー手法は、言葉では表現しにくい感情や無意識の考えを引き出すのに非常に効果的です。
例えば、「あなたが理想とする金融サービスをイメージする画像を集めてきてください」という問いかけから始まるZMET法では、顧客が選んだ画像の背後にある感情や価値観を丁寧に掘り下げていきます。すると「安全」「成長」「自由」といった抽象的な概念が浮かび上がり、サービスの意味を定義する重要な手がかりとなります。
ここで威力を発揮するのがCXリサーチです。特に「ZMET法」や「心象イメージ法」といった画像を使ったロングインタビュー手法は、言葉では表現しにくい感情や無意識の考えを引き出すのに非常に効果的です。
例えば、「あなたが理想とする金融サービスをイメージする画像を集めてきてください」という問いかけから始まるZMET法では、顧客が選んだ画像の背後にある感情や価値観を丁寧に掘り下げていきます。すると「安全」「成長」「自由」といった抽象的な概念が浮かび上がり、サービスの意味を定義する重要な手がかりとなります。
成功事例:顧客インサイトを活かしたブランド構築
医療機器メーカーのフィリップスは、小児科のCTスキャン装置で革新的なアプローチを取りました。従来の解決策は「より速く検査を終わらせる」という機能的アプローチでしたが、子どもたちのインサイトを深く理解したところ、彼らが感じているのは単なる「怖さ」ではなく、「未知の空間への不安」と「冒険への好奇心」という相反する感情であることが判明しました。
そこでCTスキャン室を「海賊船の冒険」や「宇宙探検」のテーマパークのような空間に改装。検査自体を冒険の一部として体験できるようデザインしたところ、子どもたちの不安が大幅に軽減され、スムーズな検査が可能になったのです。
そこでCTスキャン室を「海賊船の冒険」や「宇宙探検」のテーマパークのような空間に改装。検査自体を冒険の一部として体験できるようデザインしたところ、子どもたちの不安が大幅に軽減され、スムーズな検査が可能になったのです。

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Haruhiko Kusanagi
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