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2024.05.27

Series Blog ZMET 第8回:マルチクライアント型 ZMET調査

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心の概念構造を解き明かすインタビュー手法 “ZMET” について、全8回でお届けしています。今回で最後となる第8回のテーマは「マルチクライアント型ZMET」です。

マルチクライアント、という言葉でピンと来られた方もいらっしゃるかもしれませんが、複数企業が出資して共同で実施するタイプのZMET調査となります。

今となっては少し過去の内容になってしまいますが、幅広い企業に影響を及ぼすメガトレンドをテーマに、2017年、弊社にてマルチクライアント型ZMET調査を3回実施いたしました。今回はその中から2つのテーマについてご紹介します。

そのテーマとは「シンプル」と「プレミアム」です。

マルチクライアント型ZMET調査「シンプル」


いきなりですが、「現代人に喜ばれるシンプルさ」って何だと思いますか?

『ミニマリストのような何もない部屋のイメージ?』
『手順が簡単でスマートに物事を進められるサービスのこと?』
『色がないこと?白色のデザインを基調とした商品やライフスタイル?』
『スマホですべてを済ませられるようなサービス?』
『無印良品のような飾り気のない自然派の暮らし方?』

上記の方向ってすべてバラバラですが、その方向を間違えると消費者には「シンプルなのかもしれないけど、なんか違う・・・」って思われてしまうでしょう。シンプルさを取り違えた商品やサービスがヒット商品になるのは難しそうです。

シンプルって、意外とシンプルでない。

商品戦略・ブランド戦略を間違った方向に進めないためにも、その概念構造をしっかり把握する必要性があるとお分かりいただけたのではないでしょうか。

では、マルチクライアント型ZMETで得られたインサイトの一部をご紹介したいと思います。

もちろん、ミニマリストのような考え方や無印良品のようなテイストもその回答として得られました。しかし、ビジュアル面でのシンプルさだけでなく、生きざまに関するシンプルさも得られました。

以下はZMET調査のアウトプットの一つである「画像分析」の結果ですが、「気ままな生き方」もその結果の一つとなっていました。しっかり、気ままな生き方をサポートできているかどうかが、このセグメントのユーザの評価につながることを示しています(申し訳ございませんが、一部、ボカシを入れております)。

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以下はZMET調査のアウトプットの一つである「マップ分析」の結果ですが、これも先ほどの「気ままな生き方」に近い印象ですね。

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マルチクライアント型ZMET調査「プレミアム」


こちらも、シンプルの回と同じように、質問から入ってみましょう。
「現代人に喜ばれるプレミアム」って何だと思いますか?

『ラグジュアリー感?』
『日常のちょっとしたご褒美?』
『ゴージャスなテイスト?』
『特別扱いされているような感覚?』

これも、方向を間違えたら「なにこれ・・・」と消費者に言われてしまう危険性を感じますよね。

こちらに関しても、レポートの一部を見てみましょう。

以下はZMET調査のアウトプットの一つである「ディープメタファー分析」の結果ですが、プレミアムを感じるためには日常からの「トランスフォーメーション」を感じることが大切であることが理解できます。

商品やサービスがプレミアムな感じであるというだけでなく、それを通して消費者に変容が起こっているかどうかがポイント、という訳です。

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以下は同レポートの総括の部分ですが、プレミアム感を感じるためには、時系列に沿って消費者に一連の感情を体験してもらうことがポイントだと考えられます。一瞬の感覚だけでなく、一連の感情のセットがプレミアム感を感じさせる秘訣だったのです。

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貴社に必要なZMET調査を想像してみてはいかがでしょうか


以上、マルチクライアント型ZMET調査について簡単にお伝えさせていただきましたが、いかがだったでしょうか。消費者の頭の中(概念構造)を解き明かす面白さ・大切さが少しでも伝わったようでしたら嬉しいです。

もし、自社だったらこのようなZMET調査ができるのではないかとイメージが湧きましたら、是非、mctにお声がけいただければと思います。

ZMETに関するお問い合わせはこちらから

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