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4 24, 2024 11:50 Series Blog ZMET 第6回:ZMET調査のプロセス

Series ZMET No.6-1

心の概念構造を解き明かすインタビュー手法 “ZMET” について、全8回でお届けいたします。
これまでのシリーズブログでは、ZMETの概要や活用イメージなどをお伝えしてきました。第6回目は「ZMET調査のプロセス」についてご紹介します。

プロジェクトに応じてカスタマイズも行いますが、ZMETの基本的なプロセスは以下の通りです。

【事前準備】
まず、参加者にリサーチのテーマを伝えます。例えば、企業のブランドイメージ、具体的な商品/サービス、あるいはより抽象的なテーマ(“シンプル”についての考えや気持ちなど)が考えられます。参加者には、テーマに関連する5-8枚程度の画像を集めるよう依頼します。ポイントは広告写真といった直接的な画像ではなく、参加者の考えをきちんと反映した画像を選んでもらうこと。素材収集の期間に数日設けた後、個別のインタビューを行います。
事前準備
<a href="https://storyset.com/online">Online illustrations by Storyset</a>


【ストーリーテリング】
インタビューでは、各画像がどのように参加者の思考や感情を表しているかを訓練されたインタビュイーが引き出し、その中から重要な概念を探っていきます。画像を通して参加者が語るストーリーは、洞察の宝庫です。具体的なエピソードはもちろん、抽象的な上位概念(価値観など)も明らかにしていきます。

ストーリーテリング
<a href="https://storyset.com/professional">Professional illustrations by Storyset</a>


【メタファー探索】
画像について、さらに深掘りします。特に参加者が画像を「ベスト」な表現とは感じていない場合、「この画像をどのように加工すれば、よりイメージに近くなるか?」「画像の枠を広げると、何が見えてくるか?」「自身がその場面の中にいるとしたら、何をしており、どのように感じるか?」など、参加者のイマジネーションを広げる投げかけを行います。あるいは、その場面に登場する他の存在について想像してもらい、彼らがどのようにテーマに関連するかを探ることもあります。

メタファー探索
<a href="https://storyset.com/idea">Idea illustrations by Storyset</a>


【五感】
それぞれの画像に関するインタビューが完了した後は、視覚「以外」の感覚を通じて、参加者の考えや気持ちを表現してもらいます。具体的には「音・香り・手触り・味・色」について尋ね、視覚とはまた違った角度から意識を掘り下げていきます。
五感
<a href="https://storyset.com/idea">Idea illustrations by Storyset</a>


【ヴィネット(物語づくり)】
最後は、テーマに関する参加者の考えや気持ちを表す「短い物語」を即興で作ってもらうパートです。参加者自身に加え、テーマに関連するキャラクターも擬人化して物語に登場させてもらいます。一見トリッキーな依頼に思えますが、これまでのインタビューを通じて参加者のイマジネーションが活性化されているので、素敵な物語ができあがります。

ヴィネット
<a href="https://storyset.com/people">People illustrations by Storyset</a>

ZMETでは、上記のプロセスから得たさまざまなインプット(メタファー/重要な思考の概念など)を分析者が解釈し、参加者たちの意識構造を可視化します。最終的に、テーマに関して人々が意思決定の際に無意識に使っている認識の枠組みを特定することにより、効果的で影響力のある戦略の立案が可能になるでしょう。

ZMETメニューに関心がある方は、ぜひお問い合わせください。


 

Nobuo Masuda株式会社mct エスノグラファー/エクスペリエンスデザイナー

【タグ】 ZMET,

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