2024.09.04
Blog|ナレッジマネジメントのあるある言いたい
私たちmctでは、クライアント企業の「ナレッジマネジメント」の活動をご支援させていただくことがあります。ナレッジマネジメントは、組織内にあるさまざまなノウハウや知識、技術を効果的に共有することでビジネスの競争力を高めようという営みです。
そんなナレッジマネジメントですが、さまざまな取り組み事例を見ているといくつかの典型的な落とし穴がありそうです。今回のブログでは、これらの典型的な落とし穴を「あるある」としてご紹介します!
あるある #01
トップダウンで進めがち
ナレッジマネジメントを経営陣や管理部門が主導して仕組みやツールを導入して、トップダウンで進めようというケースがしばしば見られます。しかしナレッジ共有の活動は本来、ボトムアップで育まれていく営みです。ボトムアップのムーブメントをいかに作っていくかという観点が重要です。
あるある #02
Give&TakeのGiveを忘れがち
ナレッジ共有はナレッジの【提供】と【利活用】が循環することで回っていきます。しかし従業員の多くは自分にとって有益なナレッジの入手には関心がある一方で、善意の誰かがナレッジを提供してくれていることを忘れがちです。ナレッジ共有の活動をうまく機能させるためには、提供者側のモチベーション醸成から丁寧に始めていくことが大切です。
あるある #03
ナレッジを蓄積する場所を作りがち
ナレッジマネジメント活動で最初にやりがちなのが、ライブラリやストレージをつくるという施策です。しかし昨今のナレッジの多くはすでにデジタルデータの形で組織内に存在しています。ナレッジを蓄積する場所を新たに作ることよりも、組織の透明性を高め、現存する情報を流通しやすくすることのほうがはるかに容易で効果的です。
あるある #04
情報漏洩リスクを言い訳にしがち
ナレッジマネジメントが進められない理由として、情報漏洩リスクが挙げられることがしばしばあります。重要な情報が漏洩するリスクがあるために「パブリックに共有できない」「ツールの利用に制約がある」といったケースです。情報漏洩リスクは重要な問題ですが、それを言い訳にすることはナレッジマネジメントへの本気度が欠如しているように感じられます。
あるある #05
形式知だけをナレッジと考えがち
ナレッジについて考えるとき、再利用可能なノウハウにまとめられた「形式知」だけに着目しがちです。ところが現実のナレッジ共有では、暗黙的なナレッジこそ良質なものであることも多く、暗黙知をいかに効果的に共有するかという発想も大切です。
あるある #06
偶発的なナレッジ共有を見落としがち
ナレッジマネジメント活動において、目的の情報に効率よく辿り着けることだけを追求してしまうケースもしばしばあります。しかし現実のナレッジ共有の多くは偶発的に行われ、そのような偶然の知の共有こそがナレッジマネジメントの醍醐味と言ってもいいかもしれません。
あるある #07
短期的なナレッジ共有だけを考えがち
現在、目の前の課題を解決するための知識や情報を得ることを「ナレッジ共有」だと考えてしまうケースもよく見られます。目先の課題解決も大切ですが、学習による成長や組織文化の変革といった長期的な成果もナレッジマネジメントによって目指す重要なゴールです。
あるある #08
大事なのはナレッジだと考えがち
「ナレッジの質が低い」「ナレッジの形式が使いづらい」などナレッジそのものに固執する場面がよく見られます。しかしナレッジシェアにおいて重要なのは、ナレッジそのものではなく、ナレッジがシェアされるネットワークです。実はナレッジ自体はそれほど重要ではなく、ナレッジのやりとりを通じて生まれる対話や交流にこそ価値があるのです。
あるある #09
ナレッジ共有そのものに目が行きがち
組織としてナレッジマネジメントを推進しようとするとき、ナレッジの共有そのものを目的だと考えがちです。しかし現場の従業員にとっては、ナレッジ共有それ自体ではなく、学びや成長、他者との交流などが目的であり動機となります。ナレッジマネジメントを推進するためには、適切な動機の設計を考えなければいけません。
あるある #10
既存事業の存在が障害になりがち
すでに成熟した既存事業では、組織の分業化が進み、プロセスや作業も定型化されています。そのような環境下ではナレッジを共有する動機がなく、ナレッジマネジメントの活動もなかなか進みません。事業そのものが常にアクティブで進化し続けていることがナレッジマネジメント活動を推進するドライバーになるのです。
いかがでしたでしょうか?みなさまの組織でのナレッジマネジメント活動にも当てはまる内容があったかもしれません。これらの典型的な落とし穴に共通しているのは「UXの視点が欠けている」ということです。ナレッジマネジメントを成功させるためには、ナレッジの共有・活用の主体である従業員のことを深く理解し、彼らにとってのより良い体験を提供しようする姿勢が大切なのです。
今回の内容が、みなさまの組織におけるナレッジマネジメント活動において、何らかのヒントや気づきを提供できましたら幸いです。ナレッジマネジメントは、組織全体の学習と成長を促進し、事業の持続的成長を実現する重要な取り組みです。これからナレッジマネジメントに取り組む際には、ぜひ今回の記事をぜひご活用ください。またナレッジマネジメントに関するご相談などがございましたらお気軽にお問合せください。
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Akihiro Yonemoto
株式会社mct エクスペリエンスデザイナー/ストラテジスト
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