2025.12.16
Event|イベントレポート:AIは人間中心設計をどう変える? mct主催「HCD × GenAI」ワークショップ開催!

この度、mctは人間中心設計推進機構(HCD-Net)のフォーラムにおいて
HCD×生成AIをテーマにしたワークショップを開催しました。
本記事では、開催されたワークショップの様子をレポートします。
こんにちは! mctの荒井です。
先月11月14日(金)に、mctは武蔵野美術大学市ヶ谷キャンパスにて開催された、人間中心設計推進機構(HCD-Net)フォーラム2025の中で、「HCD × GenAI:AIが変える人間中心設計の未来」をテーマとしたワークショップを開催しました。
なお今回の企画は、弊社による「合成ユーザー」についての連載ブログを見つけて読んでいただいたHCD-Net様よりお声がけがあり、実現いたしました。
なお今回の企画は、弊社による「合成ユーザー」についての連載ブログを見つけて読んでいただいたHCD-Net様よりお声がけがあり、実現いたしました。
急速に進化する生成AI技術は、私たちのデザインプロセスに大きな変革をもたらそうとしています。
人間中心設計(HCD)のプロフェッショナルとして、この変化をどう捉え、どう活用していくべきか。
参加者の皆様とともに、実践と議論を通じてその可能性を探りました。

本ワークショップは満員御礼となるほど人気があり、製造業、IT、サービス業など幅広い業種・業界から、
生成AIへの高い関心を持つ皆様にご参加いただきました。
第一部:生成AIユーザーへのインタビューを体験する
ワークショップの前半パートでは、生成AIユーザーへのインタビューを通して、参加者の方に生成AIをデザインリサーチの現場でどう活用できるかを実際に体験していただきました。

体験に先立って簡単なアンケートに答えていただきましたが、今回の参加者は概ねAIに対して好意的な視点を持っており、
既に業務の中でAIツールの導入を進めている方も多く、その可能性と限界を冷静に見極めようという姿勢を感じました。
既に業務の中でAIツールの導入を進めている方も多く、その可能性と限界を冷静に見極めようという姿勢を感じました。
参加者には、ユーザーの簡単なプロフィールを事前に読み込んでもらった上で、「ユーザーの本音を探るための質問」を考えてもらい、AIユーザーに対してインタビューを行なっていただきました。なお、AIユーザーには、「28歳独身の24時間フィットネスジムユーザー」といったような具体的なペルソナと、自然な会話をするためのルールがインプットされています。

最初は少し疑心暗鬼だった参加者も、AIの回答のリアルさや想定外の振る舞いに興味を持ち
純粋に楽しみながら質問を投げかけていたのが印象的でした。
このワークの狙いは、AIに対して単に質問を投げかけるだけでなく、まるで本物のユーザーにインタビューをしているかのように深堀りをしてもらいながら、よりリアルな回答を出力し、インサイトまでを得られるかを試していただくことでした。
参加者からはAIユーザーの可能性と限界について、非常に刺激的な気づきが多く寄せられました。
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「生身の人間相手では躊躇するような「攻めた質問」を気兼ねなく試せる点が、インサイトを導き出すきっかけになった。」
「AIペルソナが、幼い頃の出来事がトラウマになっていることを話したり、気持ちを歌詞で表現してくれたりするなど、一見人間的な深層心理にまで踏み込むことができた点に驚いた。」 「24時間調査可能であること、また、希少疾患など滅多にインタビューできない人のプレインタビューとして、前提情報が少ない場合に非常に有効であると感じた。」 「一方で、AIは流暢すぎて、感情がない、綺麗すぎるとも感じることもあった。」 |
第二部:HCD × AIの未来を語り合うグループディスカッション
前半パートでの体験を踏まえ、後半は「生成AIが変える人間中心設計の未来」をテーマに、2つのトピックでグループディスカッションを行いました。
ディスカッションのテーマ:
① 体験の振り返り - ワークショップの体験から得られた良い気づきやインサイトを共有し、もっと理解したい点を深掘りする。
② HCD× AIの未来について - AIの登場により、HCDの中で「変わること」「変わらないこと」は何か?
また、リサーチャー・デザイナーの役割はどう変わるか?

特に「人間とAIの対話の質的な違い」や「人間とAIの役割の区分け」について、熱い議論がされていました。
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「ユーザーにインタビューを行なう際の「セレンディピティ(ひらめき)」は、AI相手であっても生まれ得るのか?」
「AIは新人リサーチャーの良い練習相手になりそう。一方で、AI慣れしちゃうと、本物のインタビューで困ってしまうかも?」 「AIが単純なデータ分析や既存の知識の整理を代替することで、人間は『問いの設定』や『得られたインサイトをどう表現し、活用するか』といった、より人間的でクリエイティブな部分に集中できるようになるのでは?」 |
これらのワークの実践を通して、本ワークショップは、AIを単なる効率化のツールとして捉えるだけでなく、人間が創造性を発揮するための「新しいコラボレーションの道具」として位置づける重要性について、参加者全員が認識を深めるための有意義な時間となりました。
■ 共催者・参加者さまからのご感想
■ 共催者・参加者さまからのご感想
<HCD-Net 会員、オムロンヘルスケア株式会社 濱口様>
「参加者の皆さんはとても活発に議論され、盛り上がり、何より楽しくWSに参加してもらえたと思います!
mct様ファシリテーション力と参加者の皆さんへの心遣いの賜物だと思います。
『AIと人間のできること』について、HCD-Netの皆さまがこの分野への関心と、これをどう扱っていくべきかの思いをそれぞれで持っている中、机上の議論だけでなく、体験と実感を持って議論を行えた今回は貴重な場だったと思います。改めて感謝いたします。」
<HCD-Net 会員、UI/UXデザイナー ・Web ディレクター、Yさま>
「生身の人間じゃないのに、インタビューしてユーザーインサイトを抽出できるのでしょうか?
先週のmctさんのワークショップ『HCD×GenAI:AIが変える人間中心設計の未来』で、一気にその疑問は払拭されて、とても勉強になりました。有意義なお時間を、ありがとうございます。
AIが相手だと気遣いなく、ストレートな質問をぶつけることができるのは、初対面の人間に聞くよりも反対にインサイトが得られやすいかもしれません。ある程度の 『聞くテクニック』を使う必要はありますが、これは大きなメリットです。もう1つ注目した点は、『コンタクトが難しい人物にもインタビューがリアルに再現できる』こと。確かにそうで、ターゲットに該当するユーザーを探すだけでも一苦労なのに、宇宙飛行士や難病を抱える患者、ましてや人間以外でも、簡単なプロフィールをもとにAIユーザー作れば、リアルに近いお話しが聞けることになります。早速、自分でもAIユーザーを作って、インタビューを実践してみようかな。」
先週のmctさんのワークショップ『HCD×GenAI:AIが変える人間中心設計の未来』で、一気にその疑問は払拭されて、とても勉強になりました。有意義なお時間を、ありがとうございます。
AIが相手だと気遣いなく、ストレートな質問をぶつけることができるのは、初対面の人間に聞くよりも反対にインサイトが得られやすいかもしれません。ある程度の 『聞くテクニック』を使う必要はありますが、これは大きなメリットです。もう1つ注目した点は、『コンタクトが難しい人物にもインタビューがリアルに再現できる』こと。確かにそうで、ターゲットに該当するユーザーを探すだけでも一苦労なのに、宇宙飛行士や難病を抱える患者、ましてや人間以外でも、簡単なプロフィールをもとにAIユーザー作れば、リアルに近いお話しが聞けることになります。早速、自分でもAIユーザーを作って、インタビューを実践してみようかな。」
■ mct 主催メンバーからの感想
米本:「参加者の皆さんの熱量が高く、AI活用への関心の高さを感じる機会になりました。今後もデザイン領域におけるAI活用について、皆さんと一緒に探索を続けていきたいと思います。」
増田:「AIツールを触ること自体は普通になりつつある中で、それを大勢で議論する場面はとても貴重でした。容易に答えの出ないテーマだからこそ、その日時点の答えを出し続けることがヒトの存在意義なのかもしれません。」
牛嶋:「AI活用についてここ1年ほど社内で議論してきた内容を皆さまと共有し、意見交換できたことで、発想がさらに広がったと感じました。AIという大きな変化の前には、こうしてさまざまな立場の方々と一緒に手を動かしながら議論していくことが、今後も大切になると改めて思いました。そのような機会を今後も作っていきたいと思います。」
荒井:「参加者の方が非常に本質的な議論をされていたこともあり、AI活用法の検証や知識のアップデートを組織として継続的に行なっていくことの重要性を改めて感じました。また個人的には、社外の方がAIについてどのように考えているかをオープンに知ることができる大変有意義な機会でした。」
最後に
mctでは、今後も「AIとともに描く、CXの未来」をテーマに、実践的な検証と学びの場を継続的に設けてまいります。
今回のワークショップが、皆様のAI時代におけるデザインプロセスを見直し、新たな可能性を探る一歩となれば幸いです。
ご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました!
今回のワークショップが、皆様のAI時代におけるデザインプロセスを見直し、新たな可能性を探る一歩となれば幸いです。
ご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました!
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