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2026.01.15

Blog|加速する「個人」と、揺らぐ「チーム」──AI時代の組織デザイン



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AIによって個人が強くなり続ける一方で、チームのあり方にも変化が求められています。
「個」が伸びる時代に、「組織」はどうあるべきなのでしょうか。
 

 

 

AIがひらいた「ひとりでできる世界」

 
AIの登場によって、私たち個人の力はこれまでにないほど拡張されました。リサーチやアイデア発想、資料作成、文章のライティング、デザイン作業──以前ならチームで進めていた仕事や、一部の専門家にしかできなかった作業でさえ、いまでは一人でかなりのところまで進められるようになりました。「人に頼まなくてもできる」領域が一気に増え、“個としての能力”は確実にアップデートされています。

そしてこの流れは、ここからさらに加速していくでしょう。誰もが自分なりのAI活用法を模索し、新しい働き方を発明していく。AIによる個人の能力向上は、まだ入口に立ったばかりなのです。

 


“遠心力”と“求心力”のズレ


一方で個が強くなるほど、組織は別の課題に直面します。AIを使いこなせるようになると、働き方は自然と個別化し、それぞれが独自のスタイルで成果を出すようになります。するとチームの中で次のような現象が起こり始めます。

    •    プロセスや背景が共有されなくなる
    •    ナレッジやノウハウが個人の中に閉じる
    •    個々のスタイルの違いからメンバー間に溝が生まれる
    •    合意形成や意思決定が複雑で難しくなる
 
つまりAIによって“遠心力”が強まり、個の成長を組織に還元する“求心力”が弱まっていくのです。個人はどんどん強くなるのに、組織としてはまとまりにくくなる──この矛盾が、AI時代の組織デザインが直面する根本的な課題だと言えます。
 
 
 

AI時代の新しい"規律"づくり


必要なのは個々の力をチームに還元するための「チームの規律」です。規律によって、個々の力を再びチームへと戻していく自然な流れを作るのです。そしてその規律は、大きな仕組みではなく、日々の働き方の中にある具体的な行動や習慣から形づくられていきます。


意思決定の「基準」を揃える
まず必要なのは、判断の土台をそろえる場です。「何を良しとするか」「どこをリスクと見るか」という基準が揃っていなければ、意思決定は揺らぎます。ミッション・ビジョン・バリューのような拠り所になるものの重要性が高まるでしょう。

“対話のスキル”を磨く(チームスキルの習得)
AI時代は、個々の考え方や進め方がこれまで以上に多様化します。だからこそ、相手の前提を聞き取る、違和感を言葉にする、合意形成のプロセスを理解する、といったチームスキルが決定的に重要になります。

あえて“未完成のまま”共有する文化をつくる
AIは整ったアウトプットを出しますが、チームで必要なのは“粗い途中段階”の共有です。未完成の案には、他のメンバーが入り込む余地があるからです。

プロセスをオープンにし、思考の流れを共有する
AIと仕事をすると、結果だけがきれいに残り、途中の思考が見えにくくなります。どう考えたか、何に迷ったのか、などの“道のり”を共有し合う習慣が必要です。

個々の学びをチームに引き戻す
AIとの共創によって得られた学びは、個人の中に閉じがちです。個の学びを組織の学びへと還元するために、知を共有し合う場や文化がこれまで以上に必要とされます。
 
 
 

チームは「意味を揃える場」になる


かつてチームは“作業を分担するための単位”でした。しかし、AIが多くの作業を代替・補完できるようになった今、チームの役割は少しずつ別の方向にシフトしています。

それは、個々がAIを使って得た知識や視点を持ち寄り、前提を揃え、違和感を共有し、方向性を整えるための場としての役割です。こうした共通理解の形成は、AIだけでは担えません。むしろ、個が強くなるほど重要度が増す領域です。つまりこれからのチームは、「作業をする場」から「意味を整える場」へと進化していくといえます。

強くなった個をどうつなぎ直し、共通の目的へと向かわせる求心力をつくるか。それが、AI時代の組織デザインで最も重要なテーマになっていくでしょう。
 

わたしたちmctでは、顧客体験(CX)と従業員体験(EX)を統合的な組織デザインに取り組んでいます。組織構造や制度にとどまらず、「組織文化」「コラボレーション」「チームビルディング」「リーダーシップ」「共創」「人材育成」「ワークスタイル」「インナーブランディング」「MVV策定」など、人と組織が創造的に進化する仕組みをデザインしています。
(組織デザインの総合サイト「PLAYFUL WORK」)
 
AIによって個が強くなり続けるこれからの時代、組織の価値は “つながり方” によって大きく変わります。どのように協働し、どのように前提を揃え、どのように目的へ向かうのか。
その問いに向き合う組織の進化を、私たちはこれからも支えていきたいと考えています。