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2024.09.27

Blog|行動変容COM-B 第2回:行動変容における「隠されたインサイト」

 

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「なんとなく」という言葉、日常生活では溢れていると思います。

「映画XX、見に行こうよ」
「え、やだ」
「なんで?」
「なんとなく」

「この水筒にするの?」
「うん、これ、いいじゃん。なんとなく」
「分かる~。なんとなく」

そして、それらが行動変容に大きな影響を与えていることも少なくありません。その「なんとなく」が決定的なブロッカー/ブースターになっていることも多々あると思います。

「でもさ~、私は映画XXを楽しみにしてたんだから、付き合ってよ」
「え~、やだ」

今回のシリーズブログでは、そういった言語化しづらい、潜在的な行動変容のブロッカー/ブースターをどう理解するかについて、整理したいと思います。



言葉にしづらいブロッカー/ブースターを弊社では色々な心理学的手法を用いて探索しているのですが、今回はそのうちの一つである弊社オリジナル手法「心象イメージ法」でどう明らかにしていくかを見ていきたいと思います。

この手法は心理学やカウンセリング領域で投影法と呼ばれる手法群に位置づけられ、TAT(絵画統覚検査)やフォトセラピーにも近い手法なのですが、感情や気持ちを表す画像を元にその内面を探るインタビューメソッドです。事前課題の設定、ヒアリング手順、分析法に弊社オリジナルの工夫があります。

映画XXがなんとなく嫌いな人に「映画XXと聞いて思い浮かぶイメージ」を選んでもらった時、以下の画像が選ばれたとします。


Photo by Laura Ockel @ unsplash

上記の画像に対して心象イメージ法の質問セットで深堀りを行うのですが、例えば「映画XXってなんだか小難しそう」といった真意(この場合はブロッカー)が見えてくる形となります。

もし多くの消費者がそのような感覚を持っていることが明らかになれば、映画XXのプロモーション担当者の次のアクションは・・・自明ですよね?



以上は言語化しづらいブロッカー/ブースターのお話でしたが、さらに潜在的なレベルのブロッカー/ブースターも存在します。

ショップで偶然、水筒のコーナーを歩いている時、「あ、これ可愛い!ちょうど水筒を持ってなかったから買っておこうかな」となって、水筒を持ち歩く習慣が生まれてしまうとか。このお話にはブロッカーは存在せず、潜在的なブースターが急に顕在化した形ですね。

※写真は象印様のウェブサイトより

ということで、簡単ではございましたが、今回は潜在的なブロッカー/ブースターを中心にご説明させていただきました。



さて、行動変容COM-Bに関して、「そもそも興味がない人には行動変容させられないのでは?」という質問をいただくことが時々ございます。次回のシリーズブログでは、そういった内容についてお伝えできればと思います。

【全5回の行動変容COM-Bシリーズブログ】
第1回:「行動を変える」ためのインサイトをどう見つけるか?
第2回:行動変容における「隠されたインサイト」
第3回:「興味がない人」の行動をどう変えるか?
第4回:「BtoBの行動変容」をどうデザインするか?
第5回:行動変容を促すためのアイデア開発手法

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