2025.11.18
Series|【EX改善の裏側 #3】座談会から生まれた施策、その後とこれから

座談会で出てきたのは、言葉にしていなかった不安、期待、それぞれの温度感。
そこからどう対話を続け、アクションへつなげていったのか。
理想と現実のあいだで見えた、手触りのある学びをお届けします。
こんにちは!
顧客体験(CX)と従業員体験(EX)を統合的にデザインする、日本初の組織デザインファームmctです。
組織構造や制度にとどまらず、「組織文化」「コラボレーション」「チームビルディング」「リーダーシップ」「共創」「人材育成」「ワークスタイル」など、人と組織が創造的に進化する仕組みをデザインしています。顧客体験(CX)と従業員体験(EX)を統合的にデザインする、日本初の組織デザインファームmctです。
顧客体験(CX)と従業員体験(EX)を統合的にデザインする、日本初の組織デザインファームmctです。
組織構造や制度にとどまらず、「組織文化」「コラボレーション」「チームビルディング」「リーダーシップ」「共創」「人材育成」「ワークスタイル」など、人と組織が創造的に進化する仕組みをデザインしています。顧客体験(CX)と従業員体験(EX)を統合的にデザインする、日本初の組織デザインファームmctです。
座談会から見えたものを、次のアクションへ
前回のブログでは、社内の座談会を通じて「今のmctの課題」や「働くうえで感じているモヤモヤ」を整理した様子を紹介しました。今回はその座談会の結果をもとに、私たちが「どんな工夫で対話を生み出してきたか」「進める中でどんな壁や学びがあったか」を中心に、EX改善のリアルをお伝えします。
「課題をポジティブに自分ごと化する」ー How Might Weワークを実施
社内座談会で挙がったさまざまな課題をもとに、「自分が一番課題だと思ったこと」をそれぞれがピックアップしました。そのうえで、「mctをさらにいいチームにするため、クライアントとより良い価値を共につくっていくための How Might We(どうすれば~できるだろうか?) 」という問いに変換して考えるワークを実施。このワークの意図は課題を“ポジティブに自分ごと化”することでした。「◯◯ができていない」ではなく、「どうすれば良くしていけるだろう」と考えることで、前向きな視点に切り替えられるよう意識して設計しました。
特にmctらしい問いとして「Playful」をキーワードにしたものが多く見られました。人がワクワクしながら物事に夢中になる時は、多少の困難にあってもポジティブに乗り越えていこうとするエネルギーにあふれている。そのエネルギーのエンジンとなるのがPlayfulです。「どうすれば自分らしさを活かして楽しみを生み出しながら、夢中になって働いていけるだろうか?(≒playful work)」など内発的な動機をいかに引き出すかは、EXを向上していく上で重要な観点だと改めて思いました。

また当初は多くのメンバーが課題だと感じているものに重点的に取り組む必要があると考えていましたが、結果的にはどの課題も同じくらいの数が集まっており、定量的に評価することの難しさも感じました。とは言え、組織の課題は独立しておらず、複数の課題が絡み合っているものがほとんどだと思います。そのため、課題の構造を分析し、複数の課題の根っこにあるレバレッジポイントを見つけることが重要だと感じました。
リーダー合宿でのビジョン策定
上記のワークと時を同じくして、リーダー層が中心となり「mctの現在地」と「これからの未来」を見つめ直すための合宿が実施されました。今回の取り組みで挙がった課題も踏まえて、SWOT分析を通じて強み・弱み・機会・脅威を整理し、「お客様」「業界」「大伸社グループ」「社会」それぞれの視点から、mctの最高の未来を想像するワークが行われました。そして議論の結果、「私たちの仕事は単なる支援ではなく、クライアントの“変革”そのものをデザインすることだ」という共通の想いが浮かび上がり、2028年に向けた新しいプロジェクト「Tプロ(トランスフォーメーショナルプロジェクト)」の構想が生まれました。

「Tプロ」が目指すもの
Tプロは、顧客体験(CX)の視点から、組織やビジネス、そして社会に根本的かつ持続的な変化をもたらすことを目的としたプロジェクトです。単なる部分的な改善や小規模な施策ではなく、「これまでの延長では手に入らない未来」を創造することを目指しています。その実現に向けては、CXビジョンの策定や関連施策の企画・実行、経営トップからの力強いメッセージ発信、そして現場メンバーが主体となって進めるCX変革のムーブメントづくりなど、全社的かつ中長期的な取り組みが欠かせません。mctとしても、クライアント企業が同じようにCX起点で変革を進められるように、まずは自分たち自身が変わり続ける組織であることを重視しています。EX(従業員体験)の改善とCX(顧客体験)の向上は、やはり地続きのテーマなのです。
全体会議で「課題やビジョンを自分ごと化」して捉える
これまでの流れを踏まえて、次の全社会議では「組織の課題やTプロについて、お互いの考えを知り合い、気づきを得られる場」を目指し以下のワークを実施しました。
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前回作成したHMWをmct vision2028「社会・クライアント・パートナーとともに成長し続けるCX変革のリーディングカンパニーになる」を踏まえるとどのように変わるのか?を考える
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「課題に対するアイデア」を“明日からできるサイズ感”で考えてもらう。ただし、新たな活動は増やさず、今あるリソースで工夫できることに絞る
これらを個人で考えたうえで小グループ内で共有、さらに後日どのような議論を行われていたのかを全体でも共有しました。小グループでの対話を挟んだことで、普段話しづらいテーマでも自然と声が出ることを実感しました。この経験から、「まずは対話の機会を意図的にデザインする」ことの大切さを改めて感じました。
あるメンバーは、「働きにくさをあまり感じていなかったので、自分がひそかに課題を感じている人をもっとよく知る必要がある」と話していました。そんな当たり前に気づくことができた時間でしたが、感じ方や考え方が違う一人一人が組織に所属している中でどうベクトルを合わせていくのか。明確な答えはまだありませんが、これからも対話の場を継続していき、試行錯誤しながら“考え続ける文化”を育んでいくことが大切なのだと感じました。
あるメンバーは、「働きにくさをあまり感じていなかったので、自分がひそかに課題を感じている人をもっとよく知る必要がある」と話していました。そんな当たり前に気づくことができた時間でしたが、感じ方や考え方が違う一人一人が組織に所属している中でどうベクトルを合わせていくのか。明確な答えはまだありませんが、これからも対話の場を継続していき、試行錯誤しながら“考え続ける文化”を育んでいくことが大切なのだと感じました。

少しずつ、見えてきた変化
こうした取り組みを重ねるなかで、社内の空気にも変化がありました。新しい仕組みとして「メンターディレクター制度」がスタート。若手ディレクターの成長を支援するため、経験豊富なメンバーが伴走するというものです。
これは単なる教育施策ではなく、「チームとして成長する文化をつくる」ための仕組みでもあります。一方で、変化はまだ道半ばです。EX改善のための専門チームがあるわけではなく、日常業務と並行して進める難しさも感じています。
これは単なる教育施策ではなく、「チームとして成長する文化をつくる」ための仕組みでもあります。一方で、変化はまだ道半ばです。EX改善のための専門チームがあるわけではなく、日常業務と並行して進める難しさも感じています。
続けることの難しさ、そして大切さ
社内のEX改善は、一度話し合ったからといって劇的に変わるものではありません。座談会やワークを重ねても、全員が同じ熱量で関われるわけではなく、関心を持続してもらうことの難しさも実感しました。組織づくりは一度のイベントで終わるものではなく、“続ける仕組み”をどうつくるかが問われます。運営側も「どうすれば巻き込み続けられるか」「どんな問いなら前向きな対話になるか」を試行錯誤しています。それでも、少しずつ会話が増え、課題を“言える空気”ができてきたことは、確実な変化です。
そしてもう一つ感じたのは、「社内の改善に社内だけで向き合うのは大変だ」ということ。運営する側も同じ組織にいるため、どうしてもフラットに意見を交わすのが難しくなることもあります。だからこそ、第三者にファシリテーションや課題発見を頼むのも一つの選択肢です。それが私たちmctがクライアントに提供している「組織デザイン支援」でもあります。
そしてもう一つ感じたのは、「社内の改善に社内だけで向き合うのは大変だ」ということ。運営する側も同じ組織にいるため、どうしてもフラットに意見を交わすのが難しくなることもあります。だからこそ、第三者にファシリテーションや課題発見を頼むのも一つの選択肢です。それが私たちmctがクライアントに提供している「組織デザイン支援」でもあります。
To be continued
座談会をきっかけに、新しいビジョン・新しい役割の導入と、少しずつ歩みを進めてきたmct。
この取り組みがどんな変化を生むのか——その続きは、また改めてお伝えします。
この取り組みがどんな変化を生むのか——その続きは、また改めてお伝えします。
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Mana Shimooka
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