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2024.09.29

Series Blog ZMET 第2回:医師や患者の心を解き明かすZMETインタビュー

Series ZMET No.2
 
心の概念構造を解き明かすインタビュー手法、ZMETについて、全8回でお届けいたします。
第2回のテーマは「医師や患者の心を解き明かすZMETインタビュー」です。

第1回目の記事「従来のリサーチと異なるメソッド“ZMET”とは何か?」ではZMETの概要をお伝えさせていただきましたが、今回は、ZMETの活用実例をいくつかご紹介したいと思います。

特に本国アメリカでは、医師や患者といった医療をテーマとしたZMETインタビューが100以上のプロジェクトで実施されており、そこから3つのお話をピックアップしたいと思います。



事例1:乳がん団体

SUSAN G. KOMENは1982年創立の米国の乳がん団体で、乳がん患者に対する啓蒙と乳がんに関する研究支援が主な活動内容。しかし、同じような乳がん団体が増えてきたことを受け自分たちが打ち出すべきメッセージを検討すべく、ZMET調査を実施。

ZMETインタビューを通して分かったことは、「乳がんの診断を受けると、患者の心は引き裂かれ、そして、何かに閉じ込められたような感覚になること」と「SUSAN G. KOMENは乳がん患者に知識とつながりを与え、患者が戦うための武器を提供していたこと」の大きな2点。それを受けSUSAN G. KOMENは、患者が戦い、患者一人一人が光り輝ける世界観を前面に打ち出すことに決定。

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結果、SUSAN G. KOMENのウェブサイトのユニークユーザーは24%増え、ページビューに至っては89%の増加となった。



事例2:HPVワクチン

製薬会社Xは多くの女性が罹患する可能性のあるHPVウイルスに対するワクチンを開発。しかし、性感染症というテーマでもあり、ワクチンにポジティブでない女性が多いことが判明。そこで同社は、子供に同ワクチンを受けさせることに関するZMET調査を実施した。対象は医師と子供の親。

ZMETインタビューを通して分かったことは「同疾患は無垢な存在(=娘)を破壊する者」であり、そこにガーディアン(守護者)が必要とされていることが判明。そこで、ワクチンもHPVワクチンとして打ち出すのではなく「子宮頸がんワクチン」として打ち出すことで、同疾患に対する守護者としてのイメージを強化。

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結果、そのワクチンは接種率を高めただけでなく、製薬業界における Brand of the year も獲得。



事例3:禁煙補助薬

製薬会社Yは禁煙補助薬のプロモーションの見直しを図っており、医師や患者が禁煙や禁煙治療に対してどのような概念を有しているかを理解する必要があった。そこで、ZMET調査を実施。

ZMETインタビューを通して分かったことは「禁煙は悪魔のささやきと天使のサポートが交互に訪れる長い道のり」であること、そして、天使が機能するためには「強い感情的なベネフィットが必要」であることが分かった。そこで、患者に自信を与えること・意志の力を高めることにフォーカスしたマーケティングを実施。

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結果、同社の製品は世界で最も使われる禁煙補助薬となり、8億ドル以上の売り上げをもたらした。



いかがだったでしょうか。ZMETによって最も心に響くレバレッジポイントが明らかになり、そこに集中したマーケティングを行うことでビジネスの成果にもつながる。そのようなロジックをご理解いただけたのではないでしょうか。

最近、我々も、ZMETを開発した米国OZAが主催する製薬会社のブランディング関連リサーチにインタビューワーとして参加し、興味深い結果を目の当たりにしました。医療環境の向上に向け、同手法をさらに活用していければと願っています。
 
 

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