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8 04, 2017 06:56 ユーザー本人も自覚していないゴールを見つけるには?

beach.png少し前になりますが、夕方のニュースに須磨海岸が出ていました。ビーチの入口(砂浜が始まる場所)から波打ち際まで続く長いマットが敷き詰められたというニュースで、そんな長いマットどうするかというと、その上を車いすが通るそうです。言われてみたらそうか、と思ったのですが、普通の砂浜だと車輪が砂を噛んでしまい、車いすが動けなくなるらしく、だからこれまで車いすの人はなかなかビーチに行けなかったそうです。確かにビーチで車いすって1回も見たことないです。

今年の須磨では、このマットのおかげで車いすの高齢者や障がい者、ベビーカーのファミリーなどがビーチを満喫している、とのことでした。このビーチマットを考案したのは、自身も脚に障がいがあって車いすを利用している男性だそうで、べつに日ごろから車いすでビーチに行けなくて悔しい思いをしていたとか、そういうわけではなく、「海は眺めるもの、と思い込んでいた」という、彼のインタビューのコメントが印象的でした。

こういう目からうろこ的なアイデアに出会うといつも「あ、それがあったか」とちょっと悔しいような、考えた人を尊敬するような気持ちになります。どうしたら「車いすの人を波打ち際まで連れて行くビーチマット」というアイデアに辿り着くのでしょうか?車いす利用者にインタビューして「普段、車いす生活で不便に思うタイミングは?場所は?」って質問しても、「海は眺めるもの」と思っている人に「砂浜で車いすが動かなくなって困ります」とは答えてもらえないような気がします。

このようにユーザーの「不満」、または「課題」として意識していることは、おそらく実際の問題のほんの一部で、「本当はこうしたい」というニーズは無意識のうちにあきらめてしまっているのではないでしょうか。私たちは “人々が無意識にあきらめてしまっていること”を「暗黙の前提」と呼んでいます。そして「暗黙の前提」という枠組みを認識し疑うことで、問題解決の視点を大きく広げてくれる「ギャップファインディング」をいうメソッドをご用意しています。いつの間にか「あたりまえ」になってしまっていて、見えなくなってしまっている人々のあきらめを炙り出すことで、貴社の問題解決をサポートいたします。

もしかしたら、いま目の前の課題について良い解決策がないと少しあきらめてしまっている貴社のお役に立つメソッドかもしれません。ぜひお問い合わせください。

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Natsuki Koizumi株式会社mct エスノグラファー

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