2026.09.08
Blog|個人+AIがチームを上回る時代に、チームは必要なのか

「個人+AI」の力がチームの力を上回ろうとする時代に、チームは必要なのでしょうか?
AI時代の"チーム"のあり方や意義について考えます。
「チームでやったほうが、いい仕事ができる」。そんな常識が生成AIによって崩れ始めています。
情報を集める。課題を整理する。アイデアを出す。異なる立場から検討する。企画書をつくる。プロトタイプにする。これまで複数人で分担していた仕事を、いまや一人+AIでかなりのところまで進められるようになりました。しかも、単に「一人でもできる」だけではありません。場面によっては、チームで取り組むより速く、深く、質の高いアウトプットを生み出すことさえあります。
もし「個人+AI」がチームを上回るのだとしたら、それでも私たちがチームで働く意味はどこにあるのでしょうか。
情報を集める。課題を整理する。アイデアを出す。異なる立場から検討する。企画書をつくる。プロトタイプにする。これまで複数人で分担していた仕事を、いまや一人+AIでかなりのところまで進められるようになりました。しかも、単に「一人でもできる」だけではありません。場面によっては、チームで取り組むより速く、深く、質の高いアウトプットを生み出すことさえあります。
もし「個人+AI」がチームを上回るのだとしたら、それでも私たちがチームで働く意味はどこにあるのでしょうか。
チームにしかできないことは、本当にあるのか
人間が集まり、互いに意見を交わしながら一緒に考える。そこには、AIを使ったとしても一人では生み出せない価値がある。私たちは長い間、そう考えてきました。 その代表として挙げられるのが、多様な視点、創造的な議論、批判的な検討、そして優れた意思決定などです。どれも人間同士が集まって共同作業するからこそ生まれるもののように思えます。
しかし、実はその多くは「チームだから生まれる価値」ではありません。
たとえばAIに異なる立場を与えれば、一つの企画を複数の視点から検討できます。アイデアの量や質幅という点でも、AIは人間だけで行うブレインストーミングを上回ることがあります。意思決定も同じです。複数の選択肢についてメリットとリスクをAIに検討させ、最後は一人の責任者が決める。より良い意思決定をするために、必ずしも複数の人間が集まる必要はありません。
それどころか、人が集まることで失われるものさえあります。発言力の強い人に議論が引っ張られる。周囲への配慮から異論を飲み込む。全員が納得できる無難な折衷案に落ち着く。多様な人を集めたからといって、多様な議論が生まれるとは限りません。
つまり、私たちが「チームならではの価値」だと信じてきたものの多くは、個人+AIによって代替可能で、ときにはチームを上回ることさえあるのです。

チームは必要かではなく、チームで働きたいか
個人+AIだけで十分によい成果を出せるようになると、人間と一緒に働くことは必ずしも必要ではなくなります。そうなると、チームが必要かどうかではなく、チームで働きたいかどうかが大切になってきます。
人間と働くのは、楽しいことばかりではありません。説明や調整に時間がかかり、意見がぶつかることもあります。成果や効率だけを考えれば、AIと仕事を進めた方が合理的な場面も増えていくでしょう。
それでも、人間と働くプロセスには、成果物だけでは測れない価値があります。他者の仕事に刺激を受ける。自分とは違うこだわりに触れる。誰かに技術を伝える。失敗や達成を一緒に経験する。一人なら単なる作業で終わる仕事が、誰かと取り組むことで、記憶に残る経験になることもあります。
これらはより良い成果を出すために欠かせない機能ではありません。人間と一緒に働くこと自体に含まれている価値です。これからは、成果を上げるためにチームを組むのではなく、人と一緒に働く体験を求めてチームを選ぶ。そんな働き方が増えていくのかもしれません。
「チーム」から「スクール」へ
人が集まる意味がこれからも残るとしても、その集まり方はこれまでの「チーム」とは少し違ってくるかもしれません。
みんなで一つのタスクやプロジェクトに取り組む「チーム」ではなく、それぞれが自分の仕事に取り組みながら、知識や技術を共有し、お互いに高め合う「スクール」のような場所です。
トレーニングジムをイメージするとわかりやすそうです。ジムにいる人たちは、全員で一つのバーベルを持ち上げているわけではありません。筋肉をつけたい人もいれば、体重を落としたい人もいる。それぞれが自分なりの目標を持って、自分のメニューに取り組んでいます。
基本的には一人でトレーニングしますが、ずっと一人きりというわけでもありません。周りで頑張っている人を見て刺激を受けたり、詳しい人にフォームを教えてもらったり、重い重量に挑戦するときだけ補助を頼んだりします。やっていることは別々でも、同じ場所にいることで、少しずつ影響を受け合っているわけです。
AI時代の組織も、こんなスクール的な形に近づいていくのではないでしょうか。それぞれがAIと一緒に仕事を進め、まずは自分で成果をつくる。そのうえで、途中のアイデアや試行錯誤を見せ合い、うまくいった方法や新しく得た知識を共有する。困ったときには助けを求め、必要になれば一時的にチームを組む。でも、いつも全員で同じ仕事をする必要はありません。
チームが「一つの成果をみんなでつくる場所」だとすれば、スクールは「それぞれの成果を通じて、お互いを高める場所」です。
これまでは、一人ではできないから人が集まっていました。これからは、一人でもできる人たちが、それでも誰かと働きたいと思って集まるようになるのかもしれません。
個人+AIが仕事の基本単位になる時代には、みんなを一つの目標にまとめるチームよりも、それぞれの挑戦を持ち寄り、お互いに刺激を与え合えるスクールのような組織が増えていくのではないでしょうか。
AI時代の組織変革プログラム「Beyond Collaboration」
こうした「スクール型組織」は、考え方を掲げるだけで生まれるものではありません。一人ひとりのアイデアや試行錯誤が見えること。それを気軽に共有し、互いの仕事に取り入れられること。必要なときには、誰かとすぐに協力できること。そんな環境や仕組みが必要になります。
私たちはMiro社とのコラボレーションプログラム「Beyond Collaboration」を通じて、MiroとAIを活用した新しい働き方や組織づくりを支援しています。
| 「Beyond Collaboration(ビヨンド・コラボレーション)」はー MiroとAIを活用し、個人の知恵やアイデアをチームの集合知へ、そして組織の力へと変えていく組織変革/組織デザインのプログラムです。AIを導入しても一部の人しか使わない、個人の業務効率化にとどまり、チームや組織の働き方が変わらない——そんな課題に向き合うソリューションです。 |
AI時代にふさわしいコラボレーションや組織のあり方を、Miro社とともに提案してまいります。Miro社との合同面談も実施していますので、AI時代の働き方や組織づくりに関心のある方は、ぜひお気軽にお声がけください。
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Akihiro Yonemoto
株式会社mct エクスペリエンスデザイナー/ストラテジスト
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